音羽先生の彼女 (ページ9)

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『え？』

音「8年前、救命医療の最先端のドクターくヘリに乗っていたあなたなら分かりますよね？」

『確かに・・安全確認が取れる前に現場に入るなんて、言語道断です。かつての私の同期は、安全確認が取れる前に現場に入り、庇った上司が爆発事故に巻き込まれて右腕を切断しました』

音「そういうことが起こり得るんです」

喜「でも・・待ってるだけじゃ助けられない命っていうのもありますから。まぁ、難しい話は抜きにして命を救うことができたことを喜びましょう！」

そう言って尚に手を差し出すが、「不必要な接触は避けましょう」と一蹴されるチーフ

じゃあ帰りましょうかと皆がERカーに向かう途中、尚にコソッと話しかける

『何であの時、脳の怪我人がいるなんて嘘を・・・』

尚「あんな危険な場所にAを留めておく訳にはいかないだろ。Aに何かあったらどうするんだ」

バカ・・・それは私だって同じなのに・・・

比奈side

初出動の翌日、医局のデスクで医学書を広げていると・・・

「お、大活躍だったみたいじゃん！初出動で見事死者0！」

そう言って同期にウェブの記事を見せられる

比「もうそれ辞めてよ・・・」

「そんなに嫌なの？どうだった？喜多見チーフは」

比「え？」

「ほら、どこの馬の骨か分からない医者に任せられるのかーって散々言われてたじゃん」

比「うーん・・・腕はいいと思う。スタッフへの指示は的確。常に冷静。診断と処置が早い」

「え、ベタ褒めじゃん」

比「でも、医者の領分を超えてる。今日だって煙の上がるバスの中にレスキュー隊より先に入るし、A先生まで巻き込んで救助活動中のトラックでオペ始めちゃうし」

「うーわやば・・・そう言えば、A先生のほうは？我らが高輪先生と並ぶ、この病院きっての脳外科エースの美人女医！A先生綺麗だもんな～」

比「元々現場に向かう救命医だったから、多くの怪我人を見ても動じてないし、すごく的確に処置してた。脳は特に専門性が高いし、すごい戦力だと思う。それに、喜多見チーフと違って安全確認が取れているか逐一確認してたし・・・」

「へぇ～・・・ま、でもすごい先生に囲まれてやっていけそうじゃん」

比「いや、でも循環器外科との兼務はありえないって・・」

そこへ高輪先生が入ってくる

高「さっきも問題になってたわよ～。レスキューの制止を無視して現場に入る喜多見チーフのやり方に」