音羽先生の彼女 (ページ8)

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ここまできたらやるしかない

『夏梅さん、モニターをすぐにお願いします』

夏「はっはい！」

アドレナリンやモニターなどオペの準備をしていると比奈先生が驚いた顔でやってきた

比「ここでオペなんか無理ですよ！」

喜「やらなきゃ助かりません」

比「でも！この男性の居眠り運転で今回の事故は起きたって！救助活動が終わるまで、バスの皆さんの処置を優先したほうが・・」

『バスの乗客は、チーフがオペ中に私が診て処置しました。苦しんでいる方には酸素投与とアドレナリン入れてください。今、1番死にかけているのはこの男性です。夏梅さん、穿頭器ください』

その時、モニターのアラームが鳴る

夏「心停止！」

『恐らく血胸もありますね。それに、骨盤もやってる可能性あります』

喜「アドレナリン用意できますか？」

夏「はい」

夏梅さんが片手でアドレナリン準備で戸惑っていると・・・

音「危ないので離れて。医師の音羽です。A先生と変わります。あちらに脳ヘルニアをおこしている患者が見つかりました。いいですね？チーフ」

喜「A先生、行ってください。音羽先生、頭蓋内血腫と右の緊張性血胸をおこしています」

『わかりました』

音「エコーください」

夏梅さんから、アドレナリンを取り素早く投与した尚にあっという間にトラックから降ろされる

言われた場所へ向かうと・・・

『あのっ・・脳ヘルニアの患者さんは・・？』

レ「先程、世田谷総合病院に搬送しました」

『えっ？』

トラックのところまで戻ると

喜「よしっ！退避しましょう」

ちょうど喜多見チーフたちがトラックから出てきて救出が行われているところだった

冬「喜多見チーフ。バスの乗客、全員搬送終わりました」

比「助かったんですか？」

夏「えぇ」

MERの初出動は無事に死者0で終える事ができた

そして皆の視線は尚のもとへ

音「本日づけで東京MERに配属になりました、医系技官の音羽尚です」

ミン「医系技官って？」

夏「医師免許を持った国家公務員、いわゆる官僚ってやつ」

喜「チーフの喜多見といいます。いや～さっきは助かりました！初出動出死者は0。いいスタートですね～」

音「喜多見チーフのやり方では続かないと思いますよ。レスキュー隊がトラックを切断している中でオペをするなんて聞いたことがありません」

喜「おぉ・・ですね」

音「医師が死んだら他の命も共倒れだ。そうですよね？A先生」