音羽先生の彼女 (ページ28)

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『まぁ・・でも辞めるかここで踏ん張るかは比奈先生次第ですから・・・辞めたくなる気持ちも分かりますし・・・』

徳「A先生にもあったんですか？」

『そりゃあるよ～。ドクターヘリに乗ってる時は、現場に着いても手の施しようがない患者さんや未熟で助けられなかった人もいるから・・その患者さんは未だに覚えてる・・・』

ミン「人に歴史あり！」

冬「難しい言葉知ってますね～。喜多見チーフ、比奈先生を励ますちょっとしたパーティでもやりませんか？」

喜「えっ？あー・・・必要ないんじゃないですか？彼女には・・・」

その時、緊急のアラームが鳴り響く

「都庁危機管理対策室から伝達。墨田区向島八丁目の境内で爆発事故発生！祭り会場で屋台の燃料タンクが爆発、炎上した模様。負傷者多数と報告あり。中規模医療事案と認定、東京MERの出動を要請する」

喜「MER了解、出動します」

ERカー内で現場の映像を危機管理対策室と共有する

いつも通り、喜多見チーフがそれぞれに指示を出していると、駒場さんから連絡が入る

駒「東京海浜病院から、研修医はあくまでバックアップとして動くよう報告を受けています。こちらも3ドクター体制を想定してでオペレーションを組みますが、よろしいですか？」

喜「・・・分かりました、それでお願いします」

駒「では、弦巻先生はあくまでサポートドクターとして動いて下さい」

現場に着くと、報告より負傷者の数が増えていた

喜「トリアージは俺と音羽先生で行います。ミンさんは音羽先生、夏梅さんは俺について下さい。A先生はテントでトリアージを終えた赤タグの処置をお願いします。爆発事故ですので、顔面外傷と気道熱傷に注意し、早期発見で窒息を回避しましょう。冬木先生と徳丸くんはオペに備えて下さい」

「「「「はい」」」」

喜「比奈先生は黄色タグの患者と救急隊への引渡しをお願いします。状況によってはA先生のフォローへ入って下さい」

比「・・分かりました・・」

喜「行きましょう！」

そしてそれぞれが動き出し、トリアージと処置を行っていく

私も医療テントで重症患者の処置に追われていると

「危ない！！倒れるぞ！！」

その声の直後に響く大きな音と悲鳴

『音羽先生！いったい何が！？』

音「屋台が倒れて新たな要救助者がでました」

すると、喜多見チーフは

喜「比奈先生、こちらから向こうのトリアージを任せます」

比「えっ、でも・・・」