音羽先生の彼女 (ページ20)

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音羽side

駆けつけると、意識を失いそうな喜多見チーフがいた

音「下にガスが溜まってます！立って息して！」

と急いで抱えて立たせる

喜「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯどうして・・・」

音「あなたを見殺しにしたら、私の査定に傷がつくんですよ！」

そして何とか根津さんを鉄筋から引き抜き、間一髪で建物から脱出した。

夏「喜多見チーフ！音羽先生！！」

千「根津！！」

喜「点滴全開で搬送お願いします」

夏「はっはい！！」

ミ「喜多見チーフ！大丈夫ですか！？」

『お2人とも見せて下さい』

喜「顔は汚れてますけど、大丈夫ですって！」

『軽度の火傷と擦過傷です。ミンさん、消毒セットありますか？2人の顔、消毒しないと化膿する危険があります』

冬「A先生、こちらにあります」

『ありがとうございます』

ミ「私、喜多見チーフ診ます！A先生は音羽先生お願いします」

そう言ってそれぞれの顔の手当を行う

周りに誰もいないことを確認して

『何て無茶な事を・・・』

音「ごめん・・・」

その頃、喜多見チーフは千住さんに思いっきり怒られていた

現場の片付けも終わり、挨拶をして家路に着く

病院をでて駅に向かって歩こうとすると・・・

音「送ってく・・・泊まってもいい？」

『うん・・・』

家に着いて夕飯を済ませる

『尚、顔のガーゼ変えるから見せて』

そう言うと大人しく私の前に座る

ガーゼを取ると血は止まっていたが、皮膚の擦過傷が痛々しい

『お風呂の後にもう1回消毒するから。かなり染みるかもしれないけど我慢してね』

音「やっぱり怒ってるよね」

『怒ってるよ！どうして危ないことするの！？後20秒遅かったら確実に爆発に巻き込まれて死んでたんだよ！？』

音「ごめん・・・でも、Aのお陰で戻って来れた」

『え・・・・』

音「必ずAのところへ帰るんだって思ったら、火事場の馬鹿力ってやつで」

『喜多見チーフに感化された？』

音「いや、それはない！」

『否定早すぎ(笑)』

音「A・・・・」

ﾄﾞｻｯ

振り返ると同時に押し倒される

『・・・怪我人でしょ。それに明日は厚労省のほうへ行くんじゃなかった？』

音「大した怪我じゃない。不安にさせたし、今はAを感じたいから」

『んっ・・・』

有無を言わさずに繰り返されるキス。嫌な気持ちはなく、黙って受け入れる

案の定、翌朝は遅刻ギリギリだった