Victim of Fate

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第46話ページ48

語り部side

「…っ…ぐ…っ…っう…っ…」

乱「何、やっと本音話してくれる気になった？

さっさと教えろよ」

満身創痍の中ヒプノシスマイクを取り出した拓斗は、一同にやがて笑顔でこう言う

「…僕の最期の頼みを、聞いてほしい…

中王区を、倒して…」

乱「…は？」

「…どうせ消されるなら…これしか方法は、ない…」

寂「…どういう事かな？」

「…どうせ皆…僕を消そうと…している…

僕はやっぱり…皆に…迷惑かけてばっかりだ…」

一「拓斗さん？何言ってやがる？」

「だったらね…もう終わりにしたいんだ…

僕の代わりにね、中王区を打倒して、全部終わらせてきてほしいんだよ…

それでね…皆で笑顔に…なって…？」

左「…あ？」

そして覚悟を決めたような顔で拓斗はやがてヒプノシスマイクを構える

キュィィン！！

「－－－－

ヒプノシスマイク、僕を殺して」

一「…は？」

左「…あ？」

－－－－ドォンッ！！

「－－－－ッ！！

…ガハッッ…ぐあぁッ！！」

一同「－－－－！！」

一同は今起きた事に対する狼狽が上回り、敵視していた相手である事を気にせずに苦しみもがき始める拓斗に駆け寄る

左「拓斗！？あんた何がしてぇんだ！？」

一「拓斗さん！？今、あんた、何て…？」

寂「…ヒプノシスマイクで自害を発言した？」

乱「はぁ…？どうして…？

待って、意味分かんない…」

そしてついにヒプノシスマイクの効果によって、そして彼自身の身体の限界が訪れ、彼はやがて暴れるのをやめて穏やかに笑う

「…あぁ…終わるん、だね…

…皆と一緒に…ラップバトルして…あいつら、倒しに…行きたかったな…」

左「…！！」

一「拓斗、さん…？」

「それで…皆が…笑顔で…笑ってるの見て…死にたかった…」

乱「はぁ？」

「…でも、やっぱり…ダメみたいだ…」

寂「拓斗君…？」

「…ごめん、ね」

拓斗は一瞬だけ悲しみの表情を浮かべ、そしてそのまま再び笑顔に戻り事切れてしまった