第45話 ページ47
語り部side
乱数からの発言を聞いた一同は、そのメールに書かれている「一緒にラップバトルしよう」というのは「お前らを中王区の命令で消す」ではないかと疑う
そして真相を明らかにすべく、一同はマイクを使う前にまず拓斗に直接問う
一「お前は…敵か?」
「…敵じゃないよ、メールの通り一緒にラップバトルしようよ
それで中王区倒して全部終わらせよう?」
左「…!!」
いつもの笑顔でそう言いだす拓斗に対し、一同は猜疑心から拓斗の発言を歪曲して捉える
「中王区倒して全部終わらせよう?」というのを、彼らは「僕は君らの敵だよ?」と捉えてしまったのだ
そして敵であるからバトルしなければいけないのかと思って、拓斗にどういうつもりなのかヒプノシスマイクで発言させようと一同はヒプノシスマイクを取り出した
「…!!」
最初の一撃を受けた時拓斗は驚いたような顔をしていた
そこで疑問に思う一同だが、拓斗はやがていつもの調子でこう言う
「…もう、間に合わないんだね
手遅れになっちゃった
…ここで僕倒す?」
その発言に一同はさらに攻撃を加速させ、拓斗にヒプノシスマイクを取り出させるように仕向けようとする
左「おいテメェ、何のつもりだよ!?
さっきからヘラヘラして攻撃受けてるばっかりで何でやり返して来ねぇんだ?
さっさとやり返せ、おらっ!!」
一「拓斗さん!!どうして何も言って来ないんですか!?
あんたが敵だって認めたくねぇんだけど!!」
「…っぐ…っ…」
だが彼は笑うばかりで一向にマイクを取り出さない
そして誰も傷付けないように、ただひたすら耐える
乱「ふざけんなよ、死ねっ!!」
寂「…君は本当に裏切り者なんだね?
だったらもう容赦はしないよ」
そして一同はさらに彼を追い詰めていく
「…かは…っ…」
だが一同はやがて彼の様子がおかしい事に気付く
彼の身体は年に相応しくないほどに痩せている
そして彼の肉体の動きがやけに鈍く、見た目が若いだけの老人みたいだった
一同はそれに疑問を覚えつつも、満身創痍の拓斗がやがてヒプノシスマイクを取り出してきたので交戦準備を整える
だが一同はこの後起きる出来事を予測できていなかった
拓斗が最期に紡いだ言葉は、彼を自害に追いやる言葉だったのだ−−−−
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年6月18日 9時