Victim of Fate

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第33話ページ35

一郎side

一「…そーいやA、おばさんってどんな人？

何でここ1人で来たの？おばさんは？」

『おばさん？…おばさんぼくにすきなようにいきていいっていってたよ』

左「…あ…？」

乱「何…？Aそのおばさんからも捨てられたの…？」

『ううん、違うよ』

Aはそう言うと、無表情のままこう言ってくる

『おばさんはね、ぼくがパパのおともだちといっしょに生きたいなっていったら「それならそれでいいよ」っていってくれたの

だからぼくね、パパのおともだちみんなといっしょに生きたいなぁ

パパはずっとね、みんなとなかなおりしてまたいっしょにすごしたいっていつもいってたよ』

俺らは皆Aからの言葉を聞いて、拓斗さんの思いに気付いて再び声をあげて泣いていた

拓斗さん、本当に俺らと一緒にチーム組んでいる時間が好きだったんだ

あの日やっぱり拓斗さんは「俺ら全員で力を合わせて」って意味で「一緒にラップバトルしよう」って言ってたんだ

今更もう遅いけど、改めて拓斗さんが思っていた未来がどういうものだったのか見える

拓斗さん、TDDの時代に戻りたかったんだ

でもできる事なら中王区の柵に縛られる事なく、全て終わって平和になった世界で、5人で一緒にいられる時間を過ごしたかったんだ

でもそれが叶わないって知ってたんだ

だからあの人は最期に－－－－

一「…っう…っ…っう…

…っA、ごめんな…

…拓斗さんの理想叶えられなくて…っ…」

『いちろうおにいちゃん、かなしいことまだいっぱいあるんだね

ぼく、いちろうおにいちゃんにわるいことされてないよ

だからあやまらないで』

一「…っう…っ…」

俺らは再びひとしきり泣いて、これからAとどう紡ぐ未来が一番正しいのか4人で話し合う事にした