Victim of Fate

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第16話ページ18

僕のパパのお友達はずっと僕をぎゅっとして泣いていたの

悲しい時は泣かないで、全部笑って忘れちゃうのが強い男なんだってパパ言ってたの

だから僕ね、パパみたいに強い男の子になるために転んでも泣かないで頑張って我慢したよ

それで頑張って「痛くないよ」って笑うと、パパは「よしよし」って言って僕と一緒に笑ってくれてた

でもなんだかパパ、僕が笑っているとなんだかすごく悲しそうに笑ってた

何で悲しくならないように笑ったのに、パパが悲しそうな顔するんだろう

いつも不思議だったけど、パパ笑ってたし良いやって思って知らんぷりしてた

パパって泣いた事あるのかなぁ

僕、パパ泣いてるの見た事ないよ

一「…ッ…A、突然ごめんな！

えっと…A、俺ん家にどうして来た？

パパの知り合い探すためにわざわざ俺の所来たのか？」

『そうだよ

パパのおともだちのすごいひとにきけば、パパのおともだちぜんいんわかるかなっておもって』

一「そうか…A、今いくつ？」

『ぼく…5さい？』

一「じゃあパパには俺の事なんて言われてた？

あ、俺の名前山田一郎！パパから聞いた事ある？」

『いちろう？』

パパおともだちの話する時お名前言ってくれてたかなぁ

あまりよく覚えてないな

でも何だか一郎って名前聞いた事ある気がする

萬屋山田のお兄ちゃんは一郎って名前で、二郎っていう弟と三郎っていう弟がいるんだって言ってた

ああ、この人がその一郎お兄ちゃんか

さっきの二郎お兄さんは一郎お兄ちゃんの弟だったんだ

一「そうか…名前まではよく覚えてなかったんだな…

でも拓斗さん俺らの話してたんだな…

…俺、本当にあの人の事何も知らなかったんだな」

一郎お兄ちゃんは笑って悲しそうにそう言ってた

どうして悲しそうなのか、分からないけど－－－－