第37話 ページ38
左馬刻side
左「なーるほどなぁ…
…てめぇ、コナーさんの知り合いだか何だか知らねぇが…こいつに二度と余計な事すんなよ?
次こいつの事誘拐なんかしてみろ、どうなるか分かってんだろうなぁ?」
『…誘拐じゃねぇってば…』
ルークは簓たちを庇いでもするかのようにそう言っていたが、俺はその言葉に返事はせず黙っていた
零「悪かったってぇ…
もう誘拐はしないからさ、合意なら良いんだろ?」
左「ッてめぇッ!」
天谷奴零の発言を聞き、俺はまたこいつらがルークに余計な事する気かと思い、そう怒鳴りつけた
零「ハハッ!
まぁ俺もまだ死にたくねぇし、ルーク君の扱いには気をつけるよ
…またね、ルーク君?今日はなかなか楽しかったよ」
が、天谷奴零はふざけたような態度でそれだけ言い、ヘラヘラと笑っていやがった
その態度が気に入らず、俺はルークの腕を引き店を出て、車に乗せて俺のセーフハウスの1つに連れ込んだ
そしてそこにルークを押し込み、ルークが何か変な事されていないか服をめくって調べてみた
左「…何もねぇみてぇだな」
それを見て特に変な傷跡やマークは付けられていない事がわかり、ルークは何も変な事はされていないと分かった
そしてルークが「離せ」と言ってきたため、俺はめくった服を戻してルークから離れる事にした
だが−−−−
左「…あいつ危機感薄すぎだろ…
それに…なんで良く知りもしねぇ相手にそんな愛想振りまくんだよ…」
ルークに今日起きた出来事を振り返り、そんな事を思う
ルークは人が良いうえに記憶がない事も相まって人を疑う事を知らない
このままではルークはまた疑いもせず変な奴に捕まって、何か悪い事に巻き込まれてしまうのではないか
そうでなくてもルークの愛想の良さに惹かれた誰かが、ルークを奪っていってしまうのではないか
あるいはルークが他の誰かに目を奪われて、俺から離れていってしまうのではないか
…また、俺は大切なものを失ってしまうのではないか−−−−
左「…俺から離れていこうとするなんざ認めねぇ
ぜってぇ誰にも渡さねぇし手離しなんてしねぇ
…ルークは俺だけのモンだ」
そんな不安に対して心の中でそう独り言ち、俺は1人マンションのリビングへ向かい歩いて行った
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年3月17日 21時