第10話 ページ11
その後−−−−
俺はいつも通り、文京区にあるbar.persosでバーテンダーとして仕事をしていた
この時期は毎年忙しいらしく、去年ここにきたばかりの頃も客が多く、他のバイトが大変そうにしていたのをよく覚えている
『今宵も素敵な時間をお過ごしくださいませ』
そして年末だろうとなんだろうとお構いなく、コナーさんに「情報」を求めたり売ったりする客は来る
今日もまた例外ではなく、俺は他の客の目を逸らすためにパフォーマンスをしていた
客たちは皆照明を若干落として暗い店内で踊ったり歌ったりフレアバーテンディングをする俺を見て、楽しそうに笑ったり手拍子したりする
俺もまた営業用の作り笑いを浮かべながらパフォーマンスをし、音楽が鳴り止んだら照明を戻し、いつも通りに普通のバーテンとして振る舞う
コ「いつもありがとうね、ルーク君
今日もお陰でなんとかなったよ」
『…いえ、別に…仕事ですし』
コ「今日もそろそろ終わるしお店片付け始めようか」
そう言われて時計を見ると、すでに夜の1時50分であり、店の閉まる2時まで残りわずかとなっていた
コ「この時期はお客さんが全員帰るまでに時間がかかってしまうね
まぁ時期が時期だし仕方ないんだけどね」
『…そうですね』
そんな会話をし、コナーさんは地下の部屋を、俺は店を閉める準備に取り掛かり始めた
『…もう客も全員帰ったか…』
そう独り言ちながら店を1人閉めていた
その時−−−−
カラン、と扉についたベルが鳴る音が聞こえた
この時間に客が来ると思っていなかった俺は扉の方に目をやった
また碧棺左馬刻が唐突にやって来たのか、と思ったが−−−−
『…?』
扉の近くには見たことのない、サングラスと帽子を身につけた背の高い男性が立っていた
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年3月17日 21時