検索窓
今日:7 hit、昨日:14 hit、合計:57,774 hit

第18話 ページ21

零side


零「…?」


簓に妹がいた事については調べていたから俺は知っていた


だけどそいつが中王区に利用される可能性は深く考えて来なかった


俺が簓と盧笙の監視役に回っているはずだと、そう信じて疑わずにいたから


零「…飴村乱数君?」


その浅はかな考え、あるいは中王区の女どもの下劣な思考がこの結果を生み出す事になると知ったのは、意外な人物からの連絡故だった


乱「ゲホッ…

…この前の恩をここで返す事に決めるよ」


零「…?」


「この前の恩」はおそらく飴村乱数が中王区の女に追われている時に逃がしてやった時の事を言っているのであろう


乱「…お前はもうあいつらに信頼されていない

見限られるのも時間の問題だと思うけど」


零「!」


そして飴村乱数の発言で知った


飴村乱数はオオサカで簓の妹に襲撃して、中王区に連れて行くよう上から命令を下されたと


飴村乱数はそれを知って中王区を裏切りそいつを昏睡状態に陥らせ、「精神干渉作用が思いの外効き過ぎて起きなくなった」と説明して難を逃れている様子である


乱「何でオネーサン達が突然そんな事言い出したか分かる?

左馬刻の妹と同じ、抑止力にするためだよ」


それが誰の抑止になるかを理解するのに時間はかからない


簓は強いが別に国の脅威になり得るかと言われたらそんな事はない


あいつは別に国の脅威となるような真似を敢えて起こすような男ではないと俺自身よく知っているから


だがその簓の肉親を抑止力に使うとして、誰に対する抑止かと言えば簓のチームメイトの俺と合点がいかない方が異常だ


零「…それを教えてどうするの?」


だが同時に疑問でもあった


仮にそうだとして、俺は別にあいつらの傀儡になる気もないし上手く懐に入って難を回避する気でいたから


仮にあいつらが俺を見限っていたにせよ、簓の妹が脅威になり得る可能性は俺の中でゼロでもあったから


乱「…あの子が言っている言葉が分からなかったから」


零「…?」


そして飴村乱数の発言で、俺は歪んでいない綺麗なものがこの世界にまだあったはずだと気付かされる−−−−

第19話→←第17話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ユウ(プロフ) - どんさん» どん様、コメントありがとうございます。本日イメージイラストをアップロード致しました。概ねこのようなキャラデザインであると思っていただければ幸いです。 (2021年7月26日 21時) (レス) id: 8279a81388 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年7月26日 7時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユウ | 作成日時:2021年7月24日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。