ウチとアンタと、キミの言の葉

第11話 ページ14

簓side


医者「何か最近様子がおかしいと思った事とかはありませんか？

警察に連絡もしているのですが、事故に遭ったような形跡は見られないですので…」


曰く、Aは会社にその日出勤してへんで、無断欠勤の扱いにされていたそうや


そして昼頃になって、道端で倒れているAをここにおる姉ちゃんがたまたま見かけて病院に連絡したっちゅー話やった


俺に似てふざけた性格しとるけど、根は真面目やから無断欠勤なんて違和感のある話や思て事故かなんかにでも遭ったんとちゃうんかって心配してたらまさにその通りだったってAの会社の知り合いの姉ちゃんは神妙な面持ちで言っとった


簓「…変わった様子はあらへんかった

いつもみたいにふざけた事言って、「トウキョウ行くなら東都スカイタワーの東都くんのマスコット買って来てや」言うて俺の事送り出しとった

…いつも通りやった、最後に会った時のあいつは…」


医者「…事件に巻き込まれている可能性もありますから、彼女の事は我々の病院で保護致します

原因が分かり次第お兄様にもお伝えして、治療の糸口が見えたらこちらも最善を尽くすので…」


簓「…なぁ、それまるでAが二度と目開けんみたいな言い方やん…」


医者の話を聞いている限り、Aは何で眠っているかも分からん上に、自分の生命を上手く繋ぐ事も難しい状況に陥ってるらしい


危篤や、と暗にそう言われてるのが俺にもよう分かった


医者「…事実、維持装置なしに彼女は自主的に呼吸をするのも困難な状況に陥っています

発見する時刻がもう少し早ければ状況は大きく変わっていた可能性もありますが…」


女「…ッ…

…すみません…」


簓「…姉ちゃんが謝る事やないやん

連絡してくれておおきにな

…Aの近くにおってもええか？」


俺に連絡をくれた姉ちゃんは俺に挨拶をして帰って行って、俺とAは2人で病室で静かに時間を過ごしていた

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