才媛のヴァイオリニスト[Alan_S]

約束 ページ17

亜｢ありがとうございました！｣

母｢はーい、またいつでもいらっしゃい。｣

亜｢すぐ来ます！｣

『もう来なくてもいいけど。』

亜｢それじゃあまた明日！｣

『あ、ちょっと私もコンビニに...』

母｢ふふ、いってらっしゃい。｣







.






亜｢夜道は危ないんだからね？
1人でコンビニなんてダメだよ。｣

『大丈夫だって。』

亜｢明日の放課後はレッスンしてくれないの？｣

『明日はお母さん休みでゆっくりするみたいだから休みにしてくれる？』

亜｢そっかー、明後日は？｣

『明後日もお母さんの友達が家に来るからダメ。』

亜｢あのさ、もう隠す必要なくない？｣

『...』

亜｢そもそもなんで皆に黙ってるのか教えてもらってないのに無理なんて言われても...｣





今となっては私はヴァイオリンを弾いちゃいけないなんて思っていないし、隠す理由もない。

なかなか勇気出せないし、これがきっかけになってくれるなら...





『いいよ。』

亜｢え？｣

『明日から放課後は音楽室横の部屋で集合ね。』

亜｢...いいの？｣

『1分でも遅れたら帰るから。』

亜｢よっしゃぁぁ！サンキュ！｣

『あんたって小学生みたい。』

亜｢あんたじゃなくて、亜嵐！亜嵐って呼んで♡｣

『キモい。』

亜｢じゃあまた明日！｣




亜嵐は子供みたいに笑いながら走って行った。

明日はジェネに今まで冷たい態度でいたことを謝って、感謝の気持ちを伝えたい。



こんな風に変われたのも亜嵐のおかげかもしれない。






ありがとう







なんて、本人には絶対言わないけど。

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