才媛のヴァイオリニスト[Alan_S] (ページ13)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:49,109 hit

企みページ13

亜｢そっか。よし、じゃあ保健室行こう。｣

『は？』

亜｢は？って、突き指したんでしょ？｣

『いや、話聞いてた？』

亜｢俺的にはこの学校に来たのに楽器演奏できない方が目立っちゃうと思うけどなぁ＿＿よっと！｣

『ちょっ！離せ！』

白濱亜嵐はジワジワ近づいて来たかと思うと、すっと軽々私を持ち上げた。

亜｢離さない。｣

『迷惑なんです！』

亜｢じゃあ授業出てくれる？｣

『う...』

亜｢よし、行こう。｣

私は抱えられたまま、保健室へ連れていかれた。

亜｢失礼しま...あれ？鈴木先生いないじゃん。｣

『別に足怪我したんじゃないんだから、歩けます！
早くおろしてください！』

亜｢こうでもしなきゃ逃げちゃうでしょ？｣

『もうここまで来たら逃げないわよ！』

白濱亜嵐は良かった、なんてふにゃりと笑って私をおろした。

亜｢まずはテーピングしなきゃね。｣

『別に冷やすだけで大丈夫だし。』

亜｢ダメだよ。指は演奏者の命だよ？｣

『だから演奏者じゃないし...』

亜｢テープテープ.........え？｣

『どうしたんですか？』

何を言っても聞かない白濱亜嵐に少々呆れながらソファに座っていると、引き出しを開け閉めしていた白濱亜嵐が驚いた様子で固まった。

亜｢これ...｣

『何？』

亜｢君の名前、杉野Aちゃんだよね？｣

『それが何か。』

亜｢...ねぇ。｣

白濱亜嵐は不気味な笑みを浮かべ、引き出しから何かを取り出したかと思うと私の前に立ってこう言った。

亜｢俺にヴァイオリン教えてよ。｣