九十九.男とか女とか編 ページ24
Aはプールでの事件の聴取ついでに、以前電話があったことで、土方に呼び出されていた。
「おう、今回はその…大変だったな」
プールでの事件は性的事案。
土方はどう対応していいか慣れていないといったように、しどろもどろになる。
「…まあ、そこ座れ」
指差された椅子に腰掛け、聴取は始まった。
淡々とした口ぶりで土方は問い、Aは答える。
それはどこか機械的で、単調な作業だった。
一通り聞いた後に、土方は煙草に火をつけた。
どうやら余程緊張していたようで、大きく溜息をすると共に煙を吐いた。
「…で、今回は何の御用でしょうか」
「そう固くなんなよ」
怪訝そうな顔をして見つめるAに、土方は呆れた顔をした。
「今回はそんな重要な話じゃねえよ」
そう前置きして話し始めた。
最近、違法な薬が江戸で蔓延し始めているとのことだった。
その薬はかつて吉原の奥底に眠っていた愛染香…つまり惚れ薬だ。
つい最近、それが吉原で蔓延し、銀時や月詠が消しとめた
…はずだったのだ。
愛染香の一部が何者かによって持ち去られ、形を変えて改良種として出回っている状況に変わっていた。
改良種は、お香というよりも粉薬のようなもので。
それを飲み物に混入されることで、トラブルが増えているということだった。
それを使うのはやはり、夜の店が多いかぶき町だけではなく、吉原で出回りつつあるとのことだった。
そして、
「最近分かったんだよ。その薬を改良してたのが、吉原の町で行われていたことがな」
ということ。
「なるほど。百華という自衛組織が大きく働いている以上、真選組が動けないから、私達に動いてくれって訳ですか」
「そう言うことだ」
土方の話を聞き、Aはがっくりと肩を落とす。
「結局、むちゃくちゃ大変な事件じゃないですか」
「お前百華にいるんだからいいじゃねえか」
「私のこと良いように扱ってるだけじゃない」
今回で最後ですよ、と釘を刺し、Aは席を立つ。
扉に手を掛け、出ようとするAの背中に土方は話しかける。
「気をつけろよ。今回の薬は前と効果が違う。
その効果は...... ______________」
土方の言葉に、Aは口をあんぐりと開けた。
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Nattu(プロフ) - connyさん» connyサン!再度コメントありがとうございます。嬉しいです^^いつの間にか4作目で、私自身いつ終わるんだろこれ…状態なので何シーズン続くか未定です笑 これからも温かく見守っていただけると幸いです* 長きに渡るこの作品を読んで下さり誠にありがとうございます (2021年3月3日 12時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
conny(プロフ) - シリーズ4個目…本当にすごいです…!続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月3日 0時) (レス) id: 712cd20bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nattu | 作成日時:2021年2月25日 21時