九十六 ページ21
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「Aさん、遅いですね」
見回りにいったAを心配したように、新八は声を上げる。
(なんか、前も似たようなことがあった気がすんな)
そう銀時が思った時、
「監視員さん!!」
監視員の服を着た若い女が慌てたように、銀時達に歩み寄ってきた。
「あの!シャワー室で、監視員のお姉さんが…!!」
そう息絶え絶えにいう言葉に、勝手に身体が動いていた。
「銀さん!!」
「新八!その姉ちゃんを妙達に保護してもらってくれ!!シャワー室だ!!月詠と猿飛呼んでこい!!」
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「い゛っ」
Aは先程女がいた個室に放り込まれる。
三人の男は、鼻息を荒くさせてAを見ていた。
(っくそ…)
いつもなら持っている月詠から受けた苦無も、水着姿では持ち合わせていない。
個室に入れられ、身体の一回り大きい男が三人もいる。
絶望的な状況だった。
熱い湯がシャワーから流れ続ける。
その湯を浴びながら、Aは男達を睨みつけていた。
「いいねえ。濡れた体に、その目。そそるねえ」
一人の男が手を出してきた時、
「うがっ」
その腹に拳をつきつける。
男は腹を押さえて、床に倒れた。
それを皮切りに、
「てめぇ!」
二人の男は、Aに飛びかかった。
狭い個室で三人に拳を振るう。
男達はAに殴られ、倒れるの繰り返し。
そんな状況は長くは続かず、
(やば…あっつ…)
長く降り掛かるシャワーの湯。
それが、Aの身体を蝕んでいく。
目眩が起きそうになるのを必死に我慢し、耐えていた。
(お姉さん、早く…!)
目の前は歪んでいく。
「ぅあっ」
濡れた地面に足を滑らせる。
よろけた身体を男は捕まえ、火照ったAの顔を鷲掴みにした。
熱さで抵抗する力も残っていない。
「よくも俺らにしてくれたな。次はアンタの番だぜ」
けがわらしい手はAの身体に伸びる。
(最悪)
その手は着物をはらりと落とす。
男は舌舐めずりした後、強引に触れた。
Aは声を上げず、持てる力で男に抵抗するが、それは意味もなく。
「姉ちゃん、少しくらい反応見せてくれたっていいだろ」
「アンタなんかに、誰が」
ぎりりと歯を食いしばり、睨みつけるAのそれに触れようとした時、
「っぅわ」
事に及ぼうとした男の後ろにいた二人は、どさりと倒れる。
その後ろから、銀髪の男が赤い目を光らせていた。
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Nattu(プロフ) - connyさん» connyサン!再度コメントありがとうございます。嬉しいです^^いつの間にか4作目で、私自身いつ終わるんだろこれ…状態なので何シーズン続くか未定です笑 これからも温かく見守っていただけると幸いです* 長きに渡るこの作品を読んで下さり誠にありがとうございます (2021年3月3日 12時) (レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
conny(プロフ) - シリーズ4個目…本当にすごいです…!続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月3日 0時) (レス) id: 712cd20bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nattu | 作成日時:2021年2月25日 21時