ヘドロの森のバイトちゃんは今日も天使【坂田銀時】

#19 ページ19

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「逃げ出した先で、このお店の求人を見つけたんです。住み込みで、店長さんも強そうで」

「……こんな見てくれですからね、」

「屁怒絽さんは思っていたよりずっとずっと優しくて温かくて、だから、言い出せなくて」

「……、」

「利用するようなことして、そのせいで大切なお花まで傷付けて……、すみませんでした」









深く、頭を下げる。

許されないことをした。

私がここに来なかったら、こんなことにはならなかったのに。屁怒絽さんの花への思いは、私が1番近くで見ていたのに。









「Aさん、顔を上げてください」









屁怒絽さんの大きな手が、私の肩に添えられる。









「……利用されたなんて、思っていませんよ。私はこんな見た目ですから、誤解されやすいでしょう。だから長いことお客さんも来なくて、そんな時にAさんが来てくれた。」

「……、」

「あなたのその人柄と優しさに惹かれて、たくさんの人が来るようになって……、僕は感謝こそすれど、あなたに謝られるようなことは何もされていませんよ」

「…屁怒絽さん、」

「それにしても、その厄介男はどうにかしなくてはいけませんね、私のお花たちをあんなにしたんですから。殺生はいけない…」









顔を上げた先にあった屁怒絽さんの顔に私はピシャリと固まる。

少しだけ、いつもビクビクしている銀時さんの気持ちがわかった気がした。









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