(48)揺れる心 ページ48
「あっやだ私ったら…すみません」
なんだか私も照れくさくなり、頬が赤く染まるのを感じながらエプロンに着替えて、準備を始める。
「………」
「………」
なんとなく気まずいような雰囲気の中、ちらりとこちらを見て申し訳なさそうな表情の安室さんが口を開いた。
「…昨日は、悪かった。」
「へ?何がですか?」
「Aの気持ちを知っていながら…その、酷いことを」
「あぁ、振られたけどキスされた件についてですか?」
「………君は本当に直球だな」
だって事実じゃないですか!
「別に大丈夫ですよ?ほら、降谷さん忙しいし、(?)誰にでもやってるバーボンのハニトラだと…思えば…」
へらっと笑いながらも思ってる事はもちろん違う。ハニトラだなんて思いたくない。大好きな気持ちが振られた今でも心に溢れてる。でもそれはこの人にとっては迷惑でしかない、諦めなきゃいけない、はずなのに…
そう思うとやっぱり涙が頬をつたってしまう。泣いたってダメなものはダメなのに、そう思えば思う程止まらない。
「……砂糖きれてるんで後ろから取ってきます」
私は思わず後ろを向いて、涙を拭いながら他の仕事に取り掛かかろうとした
ーはずだった、
「え…?」
腕を掴まれたかと思うとグイッと引かれ、降谷さんのポアロエプロンで視界が包まれた。
「…俺は、誰にだってあんなことをしている訳じゃない。バーボンの時だってハニトラなんてしていない」
アレ…?pix○vとは違うのか……なんて思いながらも、静かに降谷さんの話を聞く
「俺だって分からないんだ。なんであんな行動に出たのか、自分でも不思議なくらいにな」
そして私をちらりと見ると、指で涙を拭ってくれた。
…………つまり、どういう事なの?
またお互いに沈黙する中、私の頬を触っていた降谷さんの指が、首元にある絆創膏をなぞる。
「こんな所怪我でもしたのか?しかも取れかかっ………て……」
そして剥がれた絆創膏からのぞく赤い跡を見て表情が強ばる。
「…沖矢昴、か?」
「あっ…いや…えっと……………」
「……そういう関係なのか」
「いや、違います!!!」
「違うならこれは何だ。まさか無理やりされたんじゃ…」
そう詰め寄り私の肩を握る安室さん。その後ろでカラン…とポアロの扉が開く音がした。
まだ開店前なので伝えようと振り返ると、
「A、財布忘れてる」
涼しい顔をして私の財布を持つ沖矢さんが立っていた。
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恵理(プロフ) - 月下美人さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります! (2019年5月7日 0時) (レス) id: cec242f8ad (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - 続きが凄く気になります,完結まで連載お願い致しますm(_ _)m (2019年4月2日 20時) (レス) id: 78469eaf26 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 零☆景光@低浮上さん» キス大好きマンなもので…(笑)嬉しいコメントありがとうございます!今後もネタが浮かび次第書きますー! (2018年10月12日 23時) (レス) id: cec242f8ad (このIDを非表示/違反報告)
零☆景光@低浮上(プロフ) - あばばばばばばば降谷しゃんと赤井しゃんにキスとかああああああ(挙動不審)簡単にトリップのことを口走っちゃう夢主も可愛いw更新頑張ってください! (2018年10月11日 23時) (レス) id: f8490d473d (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - ソフランさん» あっ確かに…!(笑)住所に注目してほしくて書いたつもりが普通に矛盾してました!!直してきますありがとうございます(*´ω`*) (2018年8月8日 16時) (レス) id: cec242f8ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えり | 作成日時:2016年8月27日 2時