【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬６ (ページ7)

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「なんだこいつ！？」
「すり抜けやがる！」
「チートかよ！」

次々駆けつけるコピーのトゥワイスさんたちも金髪の少年相手に為す術なくやられていく。
増強系の個性でないとはいえ彼の攻撃は一撃一撃が重い。
既に数発食らった私自身の体にも鈍い痛みが残り続けていた。

「グアアッ！！」

息も絶え絶えに雄叫びを上げ、苦し紛れに地を蹴り上げ砂利を飛ばした。
ただの目潰し、どうせこれも透過される。
そう考えながらも続け様に上段回し蹴りを繰り出すと、予想外にも彼にヒットした。
砂利を透過している間に私の脚を透過できなかった？
もしかすると彼の透過はかなり複雑で、急に2つ同時に処理をするのは難しいのだろうか。
詳しいことはわからない、それにようやく一発食らわせただけで私の体はすでにボロボロ。
けれどまさかの手応えに勝機を見出したその時だった。

「犬塚くん、ステイ」

すとん、と力が抜ける体。
朦朧とする意識の中で、脳に届いたあなたの声。
その声に含まれる無視しきれない違和感。
まるであなたなのに、あなたじゃないような。
けれど違和感を覚えつつも私の体は確かにあなたを主と認識していて、
意識が途切れる瞬間、酷く困惑したのを覚えている。
　
　
　