【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬６ (ページ23)

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視界の中で影が動いて、ようやく誰かがいることに気がついた。
私としたことが不覚だった、これが敵襲なら完全に一歩出遅れていた。
けど嗅いだことのあるその匂いには警戒など不要だった。

「も～やっと見つけたぜ」

「ミスター…！」

即座にビルの屋上を見上げるとそこには飄々とこちらに手を振る仮面の男、Mr.コンプレスの姿があった。
ようやく連合の仲間に出会えたことと、口振りからしてあちらも私を探していたであろうことに驚いていると、ミスターはロングコートをふわりと翻し目の前に舞い降りた。

「ミスター！よかった！弔さんは何処に…！」

「ちょっとちょっと落ち着いて！気持ちはわかるけど！」

着地するなり詰め寄る私にミスターは順番に説明するからと言って切り出した。
なんでも先日私がオールフォーワンに見限られたのをスピナーさんから聞いてずっと探していたのだとか。
心当たりのある場所を巡り、神野の敵連合旧アジトに立ち寄った帰りに近場で私を見つけたらしい。

「ありがとうございます…！」

「いーのいーの」

「…でも、どうしてわざわざ私を探してくれたんですか？」

しかし何故そんな面倒なことをミスター自ら？
私がいないことでミスター個人に何か悪い影響があるから連れ戻そうとしたのか、と思考を巡らせているとミスターはあっけらかんと言い放った。

「だってAちゃん、死柄木を元に戻せるんでしょ？」

「へ？」
　
　
　