【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬６ (ページ1)

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「どうすんだA」

荼毘さんに視線を向けられハッと我に返る。
計画は頓挫した、ならば現状をどう切り抜けるか新たに考えなければと頭を回す。

「…こうなったら逃げに徹しましょう」

幸い奇襲が始まってまだ間もない、ヒーローたちにこの隠し部屋に気づかれるまでかなり猶予がある。

「荼毘さんを作りましょう、できるだけたくさん！」

咄嗟に思い浮かんだ案は出口から出てすぐ森に火をつけ、炎と煙で撹乱し逃げ切るというもの。
恐らく戦いの最前線にヒーロー側の主戦力が集中しているため後方に控えているのは戦闘向きではないサポート系だろう、地下から後方まで回り込み後ろから炎で挟み撃ちにし身動きを取りづらくさせる。
森に火をつければ瞬く間に燃え広がり消火だけでも人員と時間を割くことが可能だ。
前線には解放軍、後方には炎の檻、その隙に私たち6人だけなら逃げ切れるはず。

「おう！了解！」
「俺たちが表に立つぜ！背中は任せな！」
「お前らはとっとと逃げろ！」

トゥワイスさんたちが追っ手を阻んでくれるなら尚更心強い。
急遽作戦を変更し全員が出口に向かって歩を進めようとしたその時だった。

『おいでマキアみんなと一緒に』

マキアたちがそれぞれ手にしていたラジオスピーカーから一斉に鳴り響いた。
長らく聞くことができなかった、けれど聞き間違えようもない紛れもないあの人の声。
誰もが予想外の出来事に驚きのあまり声も出ない中、作ったきり一度もぴくりとも動かなかった大男たちが主の声に呼応するように頭を上げた。

『今ここから全てを壊す』
　
　
　