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後日、私は連合メンバーを地下の一室に呼び寄せた。
もちろんホークスの目を何より警戒しているのでその辺りは抜かりない。
スケプティックさんによって奴に装着されている盗聴器と小型カメラから、奴は現在地元九州に帰っていることが確認済み。
物理的距離からしばらくこのアジトには近づけないこのタイミングを見計らってメンバーを招集した。
「荼毘とAちゃんって…どんな組み合わせよ？」
「何かあったのか？」
ミスターとスピナーさんが怪訝そうに尋ねる。
思えばこうして改まって連合のメンバーだけで集まることも今となっては久しぶりのことだ。
「面倒だ、お前が説明してくれ」
「はい」
荼毘さんから丸投げされた私は意を決し、ホークスの正体について語り始めた。
奴は公安が手配したスパイであるということ。
私の第六感で感知し気付くことができたこと。
荼毘さんの目的のため奴を泳がせていること。
しかし異能解放戦線の情報は大方筒抜けで、このままいけば弔さんがいない間に何らかの手を打ってくるだろうこと。
そして何より奴はトゥワイスさんの個性を危険視し監視しているということ。
「私と荼毘さんの調査でこれらはほぼ確定しています。そしてこれを知ってるのは今ここにいる私たちだけです」
ここまで説明してみんなの表情を窺う。
スピナーさんは真面目な表情で聞き続けてくれていて、トガちゃんは小声で"やっぱり"と呟いている。
トガちゃんは元々人をよく見ているからホークスに対する猜疑心が強かったんだろう、スパイと聞いて納得したようにうんうんと頷いていた。
問題はやはりトゥワイスさんで、私の心配は見事的中してしまったようだ。
「…嘘だろ、だってアイツいい奴だぜ？裏切り者だ！」
ショックを受けているのか動揺しているのか、俯きがちに支離滅裂な言動を繰り返している。
真実を伝えればトゥワイスさんが傷つくことはわかっていた。
でも今伝えなければもっと傷つくことになる。
「Aちゃんも一緒に勉強会したろ！？わざわざ俺たちに教えてくれたんだぜ！？何かの間違いだ！」
「…おそらくあの勉強会もトゥワイスさんを監視するためです」
そう返すとトゥワイスさんはより一層悲壮感を漂わせてその場にしゃがみ込んでしまった。
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作者名：さかさま | 作成日時：2022年4月20日 22時
