【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬５ (ページ39)

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「そういえばトゥワイスさん、大丈夫でしょうか」

「何が？」

「ホークスと仲良くしてるみたいで…人が良いから付け入られないか不安で」

どんなに些細なことでも荼毘さんの計画に影響を与えるかもしれないと、昼間の様子を念のため説明した。
個人的にもトゥワイスさんは優しいから何か都合よく利用されたりしないかが心配だ。
それこそいつかのヤクザの若頭のように。
もしそうなればその時1番傷つくのはトゥワイスさん自身だから。
ホークスもトゥワイスさんとはよくコミュニケーションをとっているようだと言うと、荼毘さんは何か考えるように顎に手を当てて視線を宙に彷徨わせた。

「…荼毘さん？」

「いやぁ…ちと思い当たることがあっただけだ」

「お聞きしても？」

「単純な話だろ？もしお前がヒーローだったら、ボスがいない今一番の脅威は誰だと思う？」

「…！」

荼毘さんの言わんとしていることに気付いて、思わず私はその場から立ち上がった。
泥花市での戦いでトゥワイスさんはトラウマを克服し、個性の二倍はいよいよ際限がなくなった。
今のトゥワイスさんはその気になれば弔さんもギガントマキアも複製でいくらでも作ることができる。
もしヒーロー側にトゥワイスさんの個性が強化されたということを知られていたとしたら一番警戒するべきは間違いなく彼だ。

「ホークスはトゥワイスさんを監視してる…？」

「監視で済めばいいけどな」

荼毘さんは笑いながら言うけど笑い事じゃない。
ホークスを信じきっているトゥワイスさんがもし騙され隔離されでもすれば、そうでなくても捕まったりなんてことになれば…そこまで考えて思考を一度振り切った。
トゥワイスさんが捕まるなんて嫌だ、駄目だ。
弔さんが帰ってきた時連合の誰か一人でも欠けているなんてことあってはいけない。
そんなの私が許せない。

「落ち着けよ」

「でも…荼毘さんだってトゥワイスさんの個性がないと今後困るんじゃないんですか？」

「まぁな」

確かにこの考えは現時点ではあらゆる仮定を踏まえた上での一つの可能性でしかない。
けどトゥワイスさんが標的になっているかもしれないなんて放っておけない。
解放軍なんて正直私にとってはどうでもよくて、でも連合のみんなは別だ。
連合は私にとっての唯一の居場所だから。
　
　
　