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続けて、あの時私がショックを受けた素振りを見せはしたものの素直に従ったことに驚いたとも。
自分が寂しいと思うように、私にも寂しいと思ってほしかったと。
「でも…公私混同はしてはいけないと思って…」
それに私の方こそ、寂しいなんて思ってるのは私だけだと思っていたから、まさか弔さんも同じ気持ちだったなんて思わなくて。
我儘を言って困らせたりしたくないから何も言わなかったのに。
「うるさい。俺は今恋人のAに聞いてる」
「っ…」
なおも建前を述べることしかしない私にムッと表情を曇らせ、ベッドに置いていた手に弔さんの義指が重なる。
「私は…」
そんなことを言われたら溢れ出してしまうじゃないか。
押し殺していた私的感情、私のもう一つの本心。
「私だって…ずっと弔さんのそばにいたいです…！」
気がつけば怪我をしているのも構わず、溢れる感情のまま子供のように弔さんに縋り付いていた。
「嫌です4ヶ月も会えないなんて…！氏子さんのことだからきっと会いにも行かせてくれないし！」
「お、おい」
「寂しいに決まってるじゃないですか！弔さんがいない生活なんて今更考えられません！毎日優しく笑って頭撫でてくれないと嫌です！！」
「…あぁ」
「でも弔さんが力を手に入れるのを支えたいのも本音で…！けどやっぱり行ってほしくない！もう自分でも何がなんだか…！」
心に秘めていた矛盾した感情をぶつける。
弔さんはその間もずっと優しく抱きしめてくれていた。
なのに何故か、この言いようのない不安感は拭えない。
「…行かないで」
力を手に入れるために必要なこと。
頭ではそうわかっているのに、不安で不安で仕方なかった。
今ここで見送ったら、貴方が遠くへ行って二度と帰ってこないような気がして。
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作者名：さかさま | 作成日時：2022年4月20日 22時
