【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬５ (ページ20)

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「触りすぎ」

まじまじと観察していたのも束の間、弔さんに苦言を呈された。
たしかにちょっと無遠慮すぎたかも。
でもこんな短期間でこれほど体格が変わってしまうなんて、男の人ってすごいな。

「羨ましいです。私なんて鍛えても筋肉付きづらくて……っ」

弔さんの体に手を添えたまま上向くと、視線が合って言葉が詰まってしまった。

「…それ以上はやり返すよ」

あ、この顔、
余裕がなさそうに眉間を寄せ、ギラギラとした欲望と熱っぽさが入り混じった視線を向けるこの表情。
前にも一度見せてくれたことがある。
いつも余裕気な弔さんが珍しく余裕のない顔をしたからよく覚えてる。
そしてあの時私はまた見てみたいとも思ったんだ。

穏やかな朝陽が差し込む部屋の中で、ゆっくりと沈黙が流れる。
弔さんは今何を考えているんだろう。

「…さっきの言葉、本当ですか？」

私はいけないことを考えている。
私が今この手を動かして彼に触れたら、体に指を這わせたら、その何かを堪えているような困ったような顔はどう変化するんだろう。

「…は？お前っ…」

目の前の彼が愛しくて仕方がない。
もっと見たい、弔さんの切羽詰まったような顔。
私が触れたらどんな顔をするのか、それからどうするのか知りたい。
グッと距離を詰めた私に驚いたのか目を丸くされたけどお構いなしに指先から彼に触れる。

余裕がないところ、もっと見せて＿＿＿＿＿

ガラリ

「お早う御座います最高指導者殿！！お迎えに上がりました！！…おや、いかがされましたか？」

「っ……いえなんでも…！」

「入るときはノックしろ…！」
　
　
　