【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬５ (ページ9)

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「全部あの男のせいだ…！」

「Aちゃん危ねぇ！」

弔さんへの憎しみや殺意を剥き出しにした彼女の背後から増援がやってきて、咄嗟にトゥワイスさんたちが飛び込んできて庇われてしまった。

「どうしてここにいるの？目的は何？」

「Aのことで取材に来たキュリオス様が解放軍を紹介してくれたの」

キュリオス様って、さっき死んだっていう幹部らしき人のことか。
つまり弔さんに憎しみを募らせている最中その人に出会ってつけ込まれてしまったのだろう。

「ここにいれば死柄木弔を殺せるって聞いた！あいつのせいで私の周りはめちゃくちゃになったの！！」

予想外の再会ではあったけど、解放戦士たちと戦いながらも頭は存外冷静だ。
そんなことより彼女の弔さんに対する尋常じゃない殺気に本能的に"早く危険因子を排除しなければ"と思った。

「どうしても弔さんを殺すっていうなら、その前に私がハルちゃんを殺す」

「…！？」

私の言葉にショックを受けたような顔をするハルちゃん。
幼馴染みの自分まで殺せるのかと言いたげな顔だ。
でも主に対し並々ならぬ殺意を持った彼女を生かしておく理由はないし、そりゃ彼女がここにいたのには驚いたけど殺すことに躊躇いはなかった。
とは言っても2ヶ月前までの私ならショックも受けて罪悪感と自己嫌悪でどうにかなっていたかもしれないな。
何しろ雄英1-Aとの戦いで覚醒して以降、私は完全にイカレてしまった。

「弔さん以外がどうなろうと、どうでもいいの」

例え血の繋がった家族だろうが、長年の時を共にした幼馴染みだろうが。
いずれ弔さんが全部壊すんだし。
その時になればどうせみんな死ぬし。
本気でそう思うようになった。
　
　
　