【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬５ (ページ45)

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おおまかに計画を説明し終え、難なく全員の了承を得る事ができた。
私は弔さんみたいに連合のリーダーでもなければ指揮権を任されたわけでもない。
それなのにみんなは私の言葉を信じて従うと言ってくれた。

「反対意見の一つも出ないとは思いませんでした…」

拍子抜けして呆然と呟く。
そもそもホークスのスパイ疑惑を確信に変えた根拠は私の第六感のみでその他に物的証拠もない。
私がホークスを嵌めようと嘘をつくことも十分に可能である。
それでもなおみんなは私の主張を信じ計画に同意してくれた。

「つっても、死柄木最優先のAちゃんがそんな嘘をつく理由がないしなぁ」

「"俺とお前たちのため"って弔くんも言ってました」

ニッコリと笑ったトガちゃんが軽い足取りで駆け寄ってきてふわりと香る甘い匂いに包まれる。
抱き締め返すように彼女の細い腰に腕を回すと"弔くんいなくて寂しいのに偉いねぇすごいねぇ"と小さい子供をあやすように言われた。

「コピーできたぜ！」

計画はすでに始まっている。
トゥワイスさんに連合メンバー全員の複製を作ってもらい、その複製たちを地上に帰らせしばらく本物として過ごしてもらう。
分身はダミー、来たるその日まで私たちの代わりを務めさせ、その間オリジナルの私たちは地下で潜伏する。
先の見えない地下生活だが遅くとも弔さんが目覚めるまでの3ヶ月以内にはヒーローたちが手を打ってくるはず、それまで私たちは日の光を浴びることはない。
早速トゥワイスさんに複製してもらった分身たちは地上に送り出し、私たちは潜伏場所である地下倉庫までやって来た。

「ここじゃいつかバレるんじゃないか…？」

スピナーさんの言う通り、人の出入りが少ないとはいえ流石に最長3ヶ月もここにいては解放軍の奴らに見つかるのも時間の問題。
だからここでミスターの力を借りる。

「ミスターの圧縮でここから更に誰も知らない地下空間を作ってもらいます」

「あぁ！ヤー公のアジトから逃げる時みたいなやつか！」

その通り、このアイデアは以前死穢八斎會に潜入したトガちゃんとトゥワイスさんの報告で聞いた脱出方法から着想を得た。
そうと決まれば任せろと言わんばかりにミスターは地下倉庫の壁に手を伸ばした。
　
　
　