221 ページ28
12月31日、大晦日。
「浴衣カァイイです！」
「似合ってるよトガちゃん！似合ってねぇよ！」
突然ですが、私たちは今温泉旅行に来ています。
「えっアレ覚えててくれたんですか！？」
「まぁ…」
「弔さん…！大好きです！」
確かに私は温泉に行きたいとボヤいたことがある。
再臨祭前のあの時は心身ともに疲弊していて、弔さんにも当時は死亡フラグと小馬鹿にされたっけ。
弔さんの手術も控えているので一泊だけだけど、リデストロの手配でこうして連合一同揃ってゆっくりできる時間をもらうことができた。
この7人で過ごせる時間はきっと今後減ってしまうのだろうけど、やはり組織の名前が変わろうが人が増えようが、私にとって連合のみんなは他と比べものにならないくらい特別で信頼できる存在だ。
以前の放浪生活も極貧だったけどなんだかんだ楽しい記憶ばかりで、みんなで暖をとってご飯を分け合っていた生活も今となっては恋しく思う。
「なんで俺まで…」
とかなんとかまた言ってるけど荼毘さんも来てくれたし。
トガちゃんとトゥワイスさんは温泉浴衣に着替えてはしゃいでいて、スピナーさんは旅館の内装に目を輝かせているし、ミスターはとっくにお茶を淹れてリラックスモードに入っている。
この旅行から帰った後のことを考えるとやっぱり寂しいけど、今はみんなと過ごせる最後の時間を楽しもう。
「貸切って言ってましたよね？」
「らしいな、あのハゲ社長が経営してるんだと」
「じゃあ弔さん！旅館内探検しましょう！」
「は？」
「私も行きたいですー！」
「俺も！行かねぇよ！」
「死柄木、ここゲーセンあるってよ…！」
「…ガキかよ」
「おじさんは休んでるからいってらっしゃい〜」
貸切なら人目を気にすることもない。
それに弔さんも杖がなくても歩けるまでに回復したことだしと強引に連れ出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかさま | 作成日時：2022年4月20日 22時
