【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬５ (ページ22)

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和気藹々とした寿司パーティー中さりげなく今後についてを話していく中で、弔さんは今日の昼間に氏子さんに会ってきたことを明かした。

「年明けから4ヶ月留守にする」

オールフォーワンが残した力を受け継ぐ為に氏子さんのもとで4ヶ月もの間眠りにつくという説明をされ、私はフリーズしてしまった。
みんなも弔さんが話しているのに会話内容から私の心配をして視線が私に集中する。

「…生きてるかこいつ」

「そんな長い間会えないなんてAちゃんが寂しくて死んじゃいます！」

「死柄木も罪な男だねぇ」

みんなが口々に何か言ってる気がするけどショックが大きすぎてそれどころじゃない。
弔さんの説明では眠っている間は仮死状態で、氏子さんが付きっきりで見ていてくれるとのこと。
用心深い氏子さんのことだからきっとその間は会いに行くこともできないだろう。
これから4ヶ月もの間私は弔さんの側にいることも顔を見ることも声を交わすことも叶わない。

「…とりあえずその間の組織運営はハゲに任す、部隊がどうとか言ってたけど…まぁお前らはこれまで通り好きにやれ」

いやだ、寂しい。
心の奥底でそう叫ぶ自分を叱責した。

「……わかりました！留守はお任せください！」

忠犬ならば主の決定に従い支えるべきだと。
何も意を唱えることなく従う姿勢を見せた私に、弔さんはじめ全員が驚いたような顔をしたけどそれには気づかないフリをした。
弔さんは何が言いたげな顔をしていた気がしたけど目を合わせることができず、間も無くしてリデストロが迎えにやってきたので一足先に集会会場に向かって行ってしまった。

私はまた立場を弁えず私的感情を表に出してしまったことを猛省した。
弔さんのためなら協力したいと思う忠誠心と、彼と離れ離れになることを嫌だと思う恋心。
矛盾しているがどちらも紛れもなく本心だ。
年明けまであと一週間、その日が来るまでに自分の中の矛盾と折り合いをつけなければいけないな。
　
　
　