【ヒロアカ】死柄木弔の忠犬５ (ページ14)

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異能解放軍との全面抗争から2日が経った。
その後敵連合と異能解放軍は融合することとなり、最高指導者に弔さんを据えることが決定したらしい。
またギガントマキアも弔さんの姿にかつての主の姿を重ね、涙を流しながら弔さんについていくことを誓った。

そして弔さんにすっかり傾倒したリデストロの指示により私たちはそれはもう丁重に扱われることとなり、即刻治療室に運ばれ各々が現在も入院している。
幸い私と荼毘さんは軽傷だったので昨日で退院。
ミスターは義手が調達できるまで、スピナーさんも刺し傷が深くもう少し入院するらしい。
トゥワイスさんは両腕骨折で自力の生活が困難になってしまったので介助が必須。
義爛さんは長期間の拘束によりひどく衰弱していたため様子を見ながらしばらく入院するそうだ。

問題は弔さんとトガちゃん。
トガちゃんはトゥワイスさんによる応急処置でなんとか一命は取り留めたみたいだけど、出血が多くてかなり危険な状態だったらしい。
病室に運ばれていくトガちゃんを見た時はショックで腰が抜けるところだったが、今は容体は落ち着いているそう。

そして弔さんもまたいつ死んでもおかしくないほどの怪我を全身に負っていて、元々マキアとの戦いで溜まっていた疲労も相まって丸二日間ずっと眠ったままだ。
心配で不安で仕方なくて、退院してからというものの私は弔さんの側から離れることができずにいた。

「弔さん…」

真っ白なベッドに横たわる彼の手の甲にそっと自分の手を重ね合わせる。
治療が施されて包帯だらけの手。
さらには左手の親指から中指までは潰れて再生不可能とのことで切除されてしまった。

あの時私が弔さんについて行っていれば、弔さんは指を失わずに済んだだろうか。
後の祭りだろうに、こんなことばかり考えては自身の弱さと不甲斐なさに自己嫌悪を繰り返している。
けれどその度にすうすうと規則的な寝息を立てている弔さんの寝顔を見ると、彼は生きているのだと実感してたまらなく愛おしい気持ちが溢れてくる。

顔もまた包帯だらけだけど弔さんの寝顔はとても安らかで穏やかで、まるで全てから解放されたかのよう。
睫毛が長くて鼻も高くて輪郭もくっきりしてて、なんだか外国人みたいな顔つきしてる。
でもどこかあどけなくて幼さが残るその寝顔はまさに、

「天使の寝顔……なんて」

こんなこと言ったら気持ち悪がられるかな。
　
　
　