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不思議だ。
「合宿前にみんなで買い物したじゃねぇか！」
「楽しみだねって話してたじゃん！」
「お前が試験勉強手伝ってくれたのすげぇ嬉しかったんだぜ！？」
「体術のトレーニングいつも付き合ってくれたじゃないか！」
「体育祭来年こそ表彰台登るんじゃなかったのか！」
必死にかつての思い出を語りかけられても、一ミリたりとも心が揺らがない。
彼らの放つ言葉はどれも響かない。
かといって彼らも私の主張を正直に受け入れてくれるわけではなさそうだし、このまま膠着状態が続くのは得策ではないな。
「何を言われても私の意思はもう曲がらない」
「でもUSJで君は！死柄木弔の手から僕を守ってくれたじゃないか！」
「…あぁ」
そういえばそういうことになってたっけ。
リカバリーガールにも同じように知らされたことを思い出した。
でも
「勘違いしないで。あの時私はスナイプの攻撃から弔さんを守っただけ」
思えば始まりはあの時だった。
主を見つけ、そして恋に落ちた。
弔さん今頃何してるかな、朝は弱いからまだ寝てるかな。
あぁ早くあなたのもとに帰りたい。
けれど目の前の彼らは未だ納得してくれない、いや納得したくないのかな。
こんなに言っても瞳にはまだ希望を宿している。
「…分からずや」
腰に携えた刀に手をかける。
穏便に済ませたかったのは本当だ。
でもこのままでは埒があかない。
言って聞かせても伝わらないなら、行動で示す。
「何を驚いてるの。みんなだってそんな格好して、はじめから話し合いでどうにかなるなんて思ってなかったんでしょ」
主戦力である爆豪くん轟くんを除くビギナーヒーロー18人。
個性はお互い割れている。
遠方からプロヒーローや警察が駆けつけないとも限らない、長期戦は避けよう。
抵抗の意思を見せて可能な限り相手を無力化、逃げ切るだけなら難しくはない。
「…僕たちは君を助ける覚悟でここに来た」
「助けようとするなら、全力で抵抗する」
結局こうなるんだ。
多勢に無勢、けれど私にだって策はある。
それにツートップがいないのは嬉しい誤算だ。
ヒヨるな、堂々と。
主からのかつての助言を心で復唱し、臨戦態勢の彼らを前に私は強かに笑った。
弔さんを真似ていうならそう、
「ゲームスタートだ」
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さかさま(プロフ) - 音西旱さん» コメントありがとうございます。う、嬉しすぎます…；；とても励みになるお言葉です！これからも楽しんでいただけるよう頑張ります！！ (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 3d4d7cceda (このIDを非表示/違反報告)
音西旱(プロフ) - いつも楽しく読んでます。一言、神です。毎日更新が楽しみで楽しみです！主さんのペースで更新頑張ってください。陰ながら応援しております！！本当に好きです！！！最高かよ✩°｡ ⸜(* ॑ ॑* )⸝☪︎⋆｡˚✩ (2022年2月12日 0時) (レス) @page37 id: fd93f8e697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2022年1月15日 6時
