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「Aちゃんには特別に教えてあげます」
そう言って切り出されたトガちゃんの過去。
周囲から抑圧されてきた血への興味と憧れ、しかしそれが決壊したのが1年と半年前のこと。
当時の事件のニュースは私にも見覚えがあった。
「とっても生きにくいです」
私の普通は普通じゃないと言われ続けてきたと語る彼女の顔にはいつもの明快さからは想像できないくらい深い深い影を落としていた。
「"何にも縛られずに生きたくてここにいる"…」
小さく呟かれたその言葉は、目の前にある磁石武器を持つ彼女がかつて口にしていた言葉だ。
普通だとか当たり前だとか常識だとか、それらに縛られずに生きたいのだと。
「私もそうだよ、マグ姉」
「女子会終わったか」
「弔さん…」
しばらくして弔さんがやってきて、トガちゃんは磁石武器の前から立ち上がり一歩下がって入れ替わるように弔さんが歩み寄った。
お別れの時間だ。
磁石に手をかざす弔さんを見て思う。
改めてなんて綺麗で残酷な名前なのだろう。
「おやすみ マグネ」
弔いとは、死を悲しみ別れを告げること。
「お疲れさま」
労いの言葉とともにぼろぼろと崩れゆく磁石は瞬く間に塵となり、秋風に消えた。
寒さが目に染みて少し涙が出た。
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さかさま(プロフ) - 音西旱さん» コメントありがとうございます。う、嬉しすぎます…；；とても励みになるお言葉です！これからも楽しんでいただけるよう頑張ります！！ (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 3d4d7cceda (このIDを非表示/違反報告)
音西旱(プロフ) - いつも楽しく読んでます。一言、神です。毎日更新が楽しみで楽しみです！主さんのペースで更新頑張ってください。陰ながら応援しております！！本当に好きです！！！最高かよ✩°｡ ⸜(* ॑ ॑* )⸝☪︎⋆｡˚✩ (2022年2月12日 0時) (レス) @page37 id: fd93f8e697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2022年1月15日 6時
