100 ページ3
お互いの気持ちを確かめ合ったあの日以降、相変わらず私をからかって遊ぶのはやめない弔さんだけど中でも態度に少し変化があった。
というのも弔さんからのスキンシップが増えた。すごく。
現に今もゲームをしながらあぐらをかいている弔さんの上にちょこんと体育座りで座らせられている。弔さんはゲームに熱中しているし特にお互い何か喋っているわけではないけれど。前まではデスクの前で椅子に座って1人でゲームしたりPCをいじっていたのに、今となってはとにかく常にくっついてくるようになった。
「…どうしたんですか？」
「別にぃ」
そしてたまに甘えてくる。
ゲームがちょうど区切りが良いところだったのか、コントローラを床に置いてぎゅうっと抱きしめられた。それに応えるように右肩に顎を乗せて落ち着いている弔さんの頭をふわふわと撫でてみた。
それに気付いたのかちらりとこちらを一瞥した緋い瞳はすぐに伏せられて、何も言わずにTシャツの襟を引っ張られる。あぁまたか、と訪れるであろう痛みに備えてグッと目を閉じた。
「っん…」
ガリっと音がしそうな勢いで右肩に噛みつかれる。私の首元から肩にかけては弔さんの噛み跡やら吸い跡でびっしりだ。
私が弔さんに抱く恋心と弔さんが私に向けてくれているそれは同じだけどちょっと違うみたいで。
私は弔さんを傷つけたいとは思わない、というか主を自らの手で痛めつけるなど本能的に許さないのだけど。
けれど弔さんは自ら私に傷をつけたがる。はじめこそ理解するのが難しかったけど、でもこれが彼なりの愛情表現なのだと理解してからはむしろ嬉しく思っている。
弔さんは気付いてるかわからないけど、自分がつけた跡を見て満足そうに笑うのがまた愛おしい。
「…なに笑ってんの」
「えっいや、別に」
「ドMかよ…」
いや噛んだりしてくる人がそんなドン引きした顔しないでよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さかさま(プロフ) - 音西旱さん» コメントありがとうございます。う、嬉しすぎます…；；とても励みになるお言葉です！これからも楽しんでいただけるよう頑張ります！！ (2022年2月13日 0時) (
レス) id: 3d4d7cceda (このIDを非表示/違反報告)
音西旱(プロフ) - いつも楽しく読んでます。一言、神です。毎日更新が楽しみで楽しみです！主さんのペースで更新頑張ってください。陰ながら応援しております！！本当に好きです！！！最高かよ✩°｡ ⸜(* ॑ ॑* )⸝☪︎⋆｡˚✩ (2022年2月12日 0時) (レス) @page37 id: fd93f8e697 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかさま | 作成日時：2022年1月15日 6時
