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"神野の悪夢"と呼ばれたあの事件から早1ヶ月、気づけば夏も終わりに近づいていた頃。
今夜はしばらく各地で潜伏を続けていた敵連合が久しぶりに一堂に会するのだが。
「死柄木さん起きてください。流石にもう起きないと間に合いませんよ」
「…だるい」
朝までゲームに熱中していた死柄木さんは外が暗くなっても起きてこない。この人はすぐ夜更かししてはしょっちゅう昼夜逆転している。
そして相変わらず食は細いし掃除もしないし、言われないとお風呂にも入ろうとしない。黒霧さんが別件でいなくなってしまって自由にワープが使えなくなったいま、外に出ることすらあまりしなくなった。
前にトガちゃんが黒霧さんのことを"弔くんのお守り"と言っていたけどさぞかし苦労してきたんだろうな。
「私先に一人で行っちゃいますよ？いいんですかリーダーが遅刻なんて」
「…わかったから、まって」
急かすように上着を着て玄関に向かおうとすれば、伸びた前髪の隙間から眠そうな目を覗かせてもそもそとベッドから起き上がってきた。そのまますぐ着替えるのか、服の裾に手をやっていたので私は壁の方に顔を背ける。
出かける支度を始めた主を待ちながらふと思う。
敵連合に加入して約一ヶ月、私の死柄木さんに対する恋心に少し変化があった。
はじめこそ気持ちを伝える気なんてさらさらなくて、ただ一方的に好きでいることに満足していた。
けれどこうして毎日一緒に過ごすうちに私の中でどんどん欲がでてきてしまって、いまや死柄木さんにとっても特別な存在になりたいと思ってしまっているのだ。
厚かましいことこの上ないのは百も承知。
けれど毎日想い人と時間を共有していれば今まで見ることのなかった新たな発見や魅力がたくさんあって、それを見つければ見つけるほどに好きだと自覚してしまう。
そしてその果てに生まれた新たな感情。私だけが好きなのでは満足できない、彼に振り向いてもらいたいという気持ち。
でもこんなことを言ったら優しい彼はきっと困ってしまうだろう。
「待たせたな。行くか」
きっと彼にとって私はペットのような、おもちゃのようなもの。自分の所有物であってビジネスパートナー。
もちろんそこに恋愛感情などない。
「はい」
だから、私のこの気持ちはしまっておこう。
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さかさま(プロフ) - レナさん» 荼毘の長男属性を書きたすぎて…！その後の2人の暴言の応酬も個人的にお気に入りです！細かい言葉選びまで注目してくださって嬉しいです！コメントありがとうございました！！ (2023年1月7日 19時) (
レス) id: b42d64db62 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 初めまして！レナです！この作品凄く好きです！夢主が“おひげ”って言ってるのも可愛いですし、茶毘の“オニーチャン”のシーンはツボにハマリました！これからも頑張って下さい！長文失礼しました！ (2023年1月6日 22時) (レス) @page47 id: 9c53f1b813 (このIDを非表示/違反報告)
さかさま(プロフ) - シュウさん» とても嬉しいです；；ありがとうございます！こちらこそ今後ともお楽しみいただけると幸いです！楽しんでいただけるように頑張ります٩( 'ω' )و (2022年1月8日 1時) (レス) id: 93aeaedad7 (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - おすすめで見つけて余りにも面白くて一気に読んでしまいました…！これからも更新楽しみにしています！作者様のペースで頑張ってください、応援しています٩( ᐛ )و (2022年1月7日 22時) (レス) id: c0e764e76b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月31日 11時
