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「ただいまー」
私は学校での授業を終えると寄り道をせず真っ直ぐに帰宅する。部活動にも加入していない。
立ち並ぶ近代的な家々、そんな住宅街の中で明らかに異様なオーラを放っている大きな日本家屋。ここが私の家。
「おかえりなさい。今日はお父さんが稽古つけてくれるみたいよ」
「ほんと！？」
「ええ、道場で待ってるって」
帰宅早々、母からの報告に急いで手洗いうがいを済ませて自室にスクールバッグを放り投げた。
そう、我が家は剣道場でもあるのだ。
というのもうちの家系は代々犬の個性を受け継いでいて、その個性とともに受け継がれてきた教えを私も果たすべく、いまこうして道場に向かっている。道場に近づくにつれ聞こえてくる声、足音、竹刀を弾く渇いた音。
「お父さん、ただいま帰りました」
道場には十数人の子供たちと、袴姿の父がすでに稽古を始めていた。
「おかえりなさい。着替えておいで」
「はい！」
父の言葉で弾かれるように私は道場の隅にある更衣室へ向かう。
父はこうして本業が休みの際に定期的に道場を開いて生徒たちや私に稽古をつけてくれている。
その父の本業は警察官、もっといえば警察官の中でもごく一部、要人の護衛をしたり危険から守ったりする人。いわゆるSPというやつだ。
この父の本業こそが代々犬塚家に伝わる教えをまさに体現したもので、私の先祖は代々名だたる大物たちの護衛をしてきたのだという。私の知っている限りでも父の兄は現役警視総監、いま亡き祖父はプロヒーローのサイドキックとして主を守り抜き、曽祖父は当時の首相の専属SPだったとか。
この教えは犬の個性が大きく影響しているらしい。
特別犬が好きでない人も知っているだろう犬の特徴の一つ、それは忠誠心の強さ。
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
