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全てをリセットした私は、あの日彼と話した路地裏へ向かっていた…はずなんだけど。
「ここどこ…」
路地で道に迷ってしまった。
あの時は完全に彼の背中にくっついてただけだし、路地裏なんて普段入らないし。ここ曲がったっけ、なんて適当に進んでいたらどこがどこだか。なんで路地裏ってこんな入り組んでるの。
別に死柄木さんと待ち合わせしているわけではない。連絡先も知らないので当たり前だが。
ただ私は死柄木さんに会いたくて、でもどこにいるのかもわからないからなんとなくあの路地裏に向かっていた。あの日徒歩で帰って行ったのを見るに生息域がここら辺なのは確かなはず。
しばらく路地裏で待っても見かけなかったらぶらぶら街を歩いて探し回ろうかな、くらいの計画だった。幸い夏休みシーズンなので、平日の昼間に子供が出歩いていても補導されたりはしないだろう。
狭い路地でキャリーバッグを引きずるのは少し大変で、もう大通りに出てしまおうかと思っているとドスッと何かを蹴った気がして足元を見ると。
「ひぃっ！？ごめんなさい！」
スーツを着たおじさんが地面に這いつくばっていた。
そしてその頭を思い切り蹴ってしまった。
「んん〜？なんだお嬢ちゃん！かわいいねぇ〜」
「はい？」
起き上がったかと思えば超至近距離でそう言われる。
この匂いはアルコール臭だ。酔っ払いかい。
「ちょっと道案内してくれよ〜おじさん家がどこだかわかんなくなっちゃって〜」
「…はぁ」
呆れた大人だ…まだ酔っ払っているのを見るに夜明けまで飲んでいたんだろうな。
こんな大人にはならないようにしよう。なんて反面教師にしている間に肩に回される腕。不快感を隠しもせずに露骨に眉間にシワが寄ってしまった。
「すみません、忙しいので」
「あれ、もしかして家出〜！？じゃぁおじさんにちょっと付き合ってよ〜！」
「遠慮します」
話を聞け酔っ払いが、と思いつつなんとか堪えていたものの肩に回された手がすりすりと体を撫でる感覚が気持ち悪くて寒気がした。
もう我慢ならない、これは正当防衛だろう。
日々稽古していた護身術が今こそ役に立つ時。思い切っておじさんの腕を掴もうとしたが、その手は宙を切った。
どさり、と再び地面に倒れ込むおじさん。
そして濃いアルコール臭で気づかなかった、彼の匂い。
「何してんだこんな朝っぱらから…」
「死柄木さん！」
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
