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死柄木さんと過ごした時間は体感よりも長かったようで、気づいたら15時になるところだった。
泣き腫らした顔でクラスメイトたちと合流するのは気が引けてしまって、心苦しくも"お腹が痛いから"と嘘の連絡を入れて帰路についた。
死柄木さんとは表の通りに出たところですぐに別れてしまった。なんでも例の黒いモヤ、黒霧さんに呼ばれたのだとか。
「あ、連絡先…」
結局聞きそびれてしまった。正確には聞いて一度フラれたのだけど。まぁ裏の住人である以上、表の世界に生きる私にそう簡単に渡すわけもないだろうが。一方的に私の電話番号だけでも伝えるくらいすればよかった。
でも不思議なことに、以前のようなもう二度と会えないかもしれないという不安はない。
むしろ積極的にまた会える気すらしている。
今日、死柄木さんに出会えてよかった。お話ができてよかった。敵っていうとそれだけで冷たい印象があったけど、死柄木さんは優しかった。
そうでなきゃ、まともに会話するのも初めてな私の傷を心配をしたり、慰めの言葉をかけたりなんかしないはずだ。
慰めてくれたといえば、あの時死柄木さんが頭を撫でてくれたっけ。
温かさと安心感が心地よくて
また、撫でてもらいたいな、なんて。
なんだか、久しぶりに心の底から晴れやかな気持ちだ。
まるで憑物でも取れたかのように、自宅へ向かう足取りが、自分の心が軽くなったのがよくわかる。
私は彼の言葉に救われた。
世間の目を気にせず、自分の思うがままに生きていいんだと思えた。
…実は1つだけ、彼に黙っていたことがある。
USJ襲撃事件において
先生やクラスメイトたちに危険が迫っているときには見ていることしかできなかった私だけど
あなたが撃たれたあの時だけは
何も考えずに飛び出せた
ヒーローのようになれたんです
忠誠心が強すぎるのも困りものだな、なんて心の中で自虐した時にはもう覚悟は決まっていた。
私はあなただけのヒーローになろう。
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
