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「ご、ごめん…なさ…」
あぁ、困ってる。
泣き顔を晒すのは情けなくて俯いたままだから死柄木さんの表情は確認できないけど、きっと困らせてしまっている。
申し訳なくて謝ろうと思っても声が震える。涙を堪えようとすればするほどうまく声が出せない。私はその場にしゃがみ込んで泣き声を殺すように小さくうずくまった。
「…そんなの、俺が知るわけないだろ」
その通りだ、彼に意見を求めるのは酷だ。
私にとっては主君でも、彼にとっては私はただの子供。
「けど、そこまで自分を追い詰めるくらいなら辞めちまえそんなとこ。そんで自分が自由に生きられる場所を見つけろ」
思いがけない優しい言葉に堪えていた涙がまた溢れ出す。
怖かったんだ。誰かに相談しても否定されるのではないかと。ヒーローが絶対正義のこの社会で、私の胸の内を明かしても誰も寄り添ってくれるはずがないと。
だから誰にも相談できなかった。
「俺さぁ昔から犬は好きなんだよ。まぁ飼いたくてもどうせ世話できないだろって先生にもドクターにも言われて飼わせてもらえなかったんだけど」
「へ…？」
これまた思いがけない言葉に思わず顔を上げようとすると同時に、両耳の間にぽすんっとたしかな重みを感じる。温かくてどこか落ち着く重み。
顔を上げると、いつのまにか私の視線に合わせてしゃがみ込んだ死柄木さんと目が合った。
こんな涙でぐしゃぐしゃの顔で恥ずかしい。けれど彼の鮮やかな緋い瞳を一度目に入れてしまうと逸らせなくなってしまった。
「道に迷ったらそん時は、俺が拾ってやる」
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
