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No.1ヒーロー、その肩書を背負っている意味を否が応でも理解した。
瞬く間に敵たちを蹴散らし、相澤先生と緑谷くんたちを救出してみせたのだ。
速すぎる。犬と同等の動体視力を持つ私でもそう思ったのだ。仮に目で追えたとしても体が追いつかないだろう。
先ほどまでの絶望的状況から一転、形勢逆転の兆しにみな安堵した。
三奈ちゃん、お茶子ちゃんと目を合わせると2人とも安心感からか涙を浮かべていた。よかった、助かるんだ。きっとオールマイトが敵を倒してくれる。
…はずなのに。
どうしてこんなに、胸がザワザワするのか。
目まぐるしく変わる戦況。脳が剥き出しの怪物とオールマイトの激しい戦闘。噴水前に駆けつけてきた緑谷くん、轟くん、爆豪くん、切島くん。
眼下では気を失っているであろう相澤先生を運ぶ梅雨ちゃんと峰田くんが階段に差し掛かったところだった。
「梅雨ちゃん！手伝うよ！」
ようやく動いた自分の足。階段を駆け下りて梅雨ちゃんたちのもとへ向かう。
「怪我してない？大丈夫だった！？」
「ええ、私たちは。でも相澤先生の意識がないの」
やはり相澤先生は気を失っていた。
相澤先生、きっと私たち生徒を守るためにあの大勢の敵たちに1人で立ち向かって行ったんだ。そして応援が来るまで守り抜いた。これが、本物のヒーロー。
先ほどまで動くことも出来なかった自分を、本当にひどく情けなく思った。同じ生徒でも、緑谷くんたちは今もこうして立ち向かっているのに。
前に、オールマイトが教鞭をとった時にこんな話をしていた。
『トップヒーローは学生時から逸話を残している、彼らの多くが話をこう結ぶ』
『"考えるより先に、体が動いていた"と』
きっと彼らのような人が、将来トップヒーローになるんだろうとぼんやりと考えていた。
相澤先生を支えながら階段を上がっていると、地鳴りのような音と衝撃を背中にビリビリと感じる。
今度は何事かと振り返ると、オールマイトがあの怪物に怒涛の勢いで拳を打ち込み、直後もはや爆発が起きたような音と同時にあろうことか怪物がUSJのはるか高い天井を突き破って吹っ飛んでいったのだ。
「すげぇ！さすがオールマイトだ！」
峰田くんが興奮気味にそう言った。
オールマイトが現れてからこの短時間で見事形勢逆転。階段の上に到着し相澤先生を横たわらせた時、再び胸がザワついた。
「…？」
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
