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「あ、お前覚えてる。雄英の」
「覚えててくれたんですか！」
「まぁ…そんなことより緑谷に言われて追ってきたの？」
「…？いえ、私個人の意思で…」
まさか自分を認知されているとは思わず、つい嬉しくなってしまう。
そしてやっぱりこの人さっき緑谷くんと接触したんだ。なんて大胆なことをするんだ。
「あぁそう、で、何」
そう聞かれてポカンとしてしまう。
追いついたことに安堵して何を言いたいのか考えてなかった。たしかに会いたいとは思っていたけど聞きたいことが多すぎる上に突然の再会で何もまとまっていない。何から話そうか。
えっと、うーんと唸る私に痺れを切らした死柄木さんはみるみるうちに不機嫌そうな顔つきになっていく。
「用があるから呼んだんだろ。それともヒーローが来るまでの時間稼ぎか？」
「それは違います！私は…あ、そうだ、あなたの！あなたの連絡先教えてください！」
「嫌だ」
聞きたいことがたくさんある中でよりにもよって口をついて出たのはそれ。しかも即答で断られた。
これじゃ新手のナンパみたいじゃないか。
「ですよね！ごめんなさい、そうじゃなくて…」
パニック状態の私を見兼ねたのか敵意がないとわかったのか、死柄木さんは呆れたように深くため息をつき首元をがりがりと少し掻いた。
「場所移動すんぞ」
「へ…？」
死柄木さんの気遣いで、ショッピングモールから少し離れた路地裏に入っていく。死柄木さんは奥へ奥へと進む自身の背中について来る私をちらりと一瞥して久しぶりに口を開いた。
「お前犬のくせに警戒心なさすぎじゃない？」
「え」
「こんな人気ないところまでホイホイついて来て、殺されるとか思わないのかよ」
たしかにその通りだ。でも私だって誰にでも付いていくわけじゃない。
「死柄木さんは、そんなことしない、と思います」
私の答えに死柄木さんは何も言わなかった。
そうだ、初めて見た時からこの人に対して恐ろしいと思ったことがないのだ。
敵なのに。雄英を襲ったのに。相澤先生に大怪我を負わせたのに。
むしろ今こうして一緒にいると安心さえしている。
しばらく暗い路地を歩き続けると、死柄木さんはようやく立ち止まって傍に落ちているボロボロの一斗缶に腰掛けた。
「丁度いい。実は俺もお前に聞きたいことがあったんだよ、犬塚A」
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
