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帰り道、信号で立ち止まったときにふとスマホを開くとさっそく今日の事件はニュースになっていた。
とある記事を開くとそこの見出しには敵連合という文字。そういえばあの黒いモヤがそんなこと言ってたっけ。
記事を読み進めると、どうやらあの白髪の彼は"死柄木弔"、黒いモヤは"黒霧"と呼ばれていたらしい。
「しがらきとむら…」
彼は今何をしているのだろう。
逃走したとのことだが彼もまたすでに被弾していたはず。病院に行くことはできないだろうし、怪我を治す個性や技術はあるのだろうか。
意識を失う直前、驚いたように目を見開いて私を見ていた彼の瞳が忘れられない。
そもそも、リカバリーガールはああ言っていたけど私はあの時死柄木弔しか見ていなかった。砂埃で視界が悪かったし、すぐそばに緑谷くんがいたなんて気が付いてすらいなかった。
たしかに私は、死柄木弔を庇うために飛び出したのだ。
なぜ敵である死柄木弔を庇ったのかと言われるとうまく答えられる自信がない。彼が怪我を負って血を流している姿を見た瞬間に一気に全身が熱くなって、考える間もなく体が動いていたんだ。
この表現が合っているのかはわからないが言葉にするならまさに、本能的に。
本能的に彼を助けなければ、守らなければならないという使命感のようなもの。
やはり彼、死柄木弔は私の主君なのだと確信した。
そもそも、彼が敵でなければもっと素直に受け入れられていたはずなのになぜこうなったのか。
「あぁ〜〜、もうっ！」
なんだか1日で色んなことが起こりすぎて心身共に疲れた。
もう何も考えたくない。
「……」
考えたくない。
「〜〜っ！」
考えたくないのに、
「なんで、！」
私の思考は死柄木弔で侵されてしまっていた。
誤魔化すようにぎゅっと目を瞑っても脳裏に浮かぶのは彼の姿。
白い手を模した何かを複数身につけ、
上下真っ黒でシンプルな服装に映える赤い靴、
細身で猫背ながらも高めの身長、
骨張った手と不健康そうな肌の色、
ふわふわと揺れる青みがかった白髪、
何より、鮮血のように鮮やかな緋色の瞳。
「…っ！」
ズキリと痛む右肩の傷口に顔を顰める。
これは主を守った名誉ある勲章か、はたまた敵を庇った罰なのか、今の私にはまだわからない。
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さかさま(プロフ) - まぶぴちょこさん» わー！とても嬉しいお言葉です！励みになります！ありがとうございます^^ (2021年12月29日 16時) (
レス) id: 24f9a11766 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - この話めちゃくちゃ好きです！！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2021年12月29日 9時) (レス) @page45 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかさま | 作成日時：2021年12月24日 17時
