【16】 ページ24
「やはり、これが“何か”お分かりですね？」
セバスチャンさんはそう言って自分の手の甲を私にしっかりと見せる。
黒く、何やらよくわからない刺青のような“それ”は、私がよく知っているものだった。
「ムゲット様と一緒にいたあの執事は私と“同じ”悪魔です。それをAが知っているのかとても気になってしまいまして」
セバスチャンさんと目を合わせまいと下を見ていると左手で顎を掴まれ、顔をあげられる。
セバスチャンさんの赤い瞳がとても“不気味”だと感じた。
「……坊ちゃんのあの右目、あそこに悪魔との契約の印があるのですね。」
「ええ。そうです。“悪魔との契約”、よく知っていますね」
顔が近い。
セバスチャンさんの長い前髪が鼻に当たる。
足の間にセバスチャンさんの右足を入れられ、完全に身動きをふさがれる。
「……離して頂けませんか？私、まだやる事が終わっていないので。」
「それはいけませんね。しかし、それは他の者に任せたので気にしないでください。」
そう言われて気づく。
だからメイリン達が食器を拭いていたのか。
敢えてセバスチャンさんはメイリン達に食器を拭かせたりという仕事をさせたのか。
「………私に、何を聞きたいのです？」
「貴方の“お父様”のことについて、お話を、と。」
……こいつ、調べたな。
「……お父様？私にはお父様なんか……」
「ヴィオラ・カリーフラナ様」
「っ……！！！！！」
やっぱり、調べあげたのか
「……どこまで調べたのですか」
私がそう聞くとセバスチャンさんはにやりと笑う。
「“全て”ですよ」
その言葉に私はただただため息が出た。
「……はぁ……何も、見つからないと思っていたのですが…」
セバスチャンさんが調べたという事は坊ちゃんにも私が、あいつの娘だという情報は入っているだろう。
私は、ここに居るために、自分の過去を話さず、新しい名を名乗り、新しい自分で生きていくと決めていた。
なのに
「レディーがそんな顔していては……いけませんよ」
私が約2年隠していたものは忌々しい“悪魔”によって暴かれた。
“あの人達”はきっと私が娘だということを完璧に無かったことにした。
だから、バレないと思ってたんだ。
「っ………ほんと、クソ野郎……」
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理音(プロフ) - 更新して欲しいです！！待ってます！！ (6月21日 16時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年6月16日 21時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
優 - 面白いです!!続き楽しみにしてます!!頑張ってください！ (2018年4月3日 22時) (レス) id: 1e3d994a6e (このIDを非表示/違反報告)
一姫(プロフ) - 受験、おめでとうございます！ 頑張ってくださいね！ (2018年3月23日 14時) (レス) id: a04d87dde9 (このIDを非表示/違反報告)
佰 - 面白いですね！続きが気になります！これからも更新頑張ってください！ (2018年3月22日 17時) (レス) id: e1e57bb127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふらすこ | 作成日時：2018年2月5日 14時
