【2】 ページ3
床にはたくさんの食器の破片が落ちていて、見ているだけで少しふつふつと軽い“殺意”を感じる。
…いやいや。今はそんなこと考えるのはやめよう。
…
「……セバスチャンさん。私の背後に立つのはやめてください。」
「お気を召されたのならすみません、とは言え……これは……」
「皿が23枚割れたので買い足しておきます。あと、銀食器が何本か落ちてしまっているのでそれも。」
私はそう言うと割れた破片を拾おうとするが、それをセバスチャンさんに止められてしまう。
「女性の手が怪我されてしまうといけませんので、ここは私が。あなたはバルド、メイリンとフィニの様子を見て来て頂けますか？」
赤い瞳と目が合う。
この人の瞳は、どこか人を見透かしているような錯覚に囚われてしまうほど、美しいものだと私は思う。
だけれど、それ以上にこの人は……
「わかりました」
あの忌々しい“悪魔”の瞳と似ている。
＿＿＿＿
「！！」
庭に様子を見に行くと、案の定、殆どの木が“半分上”が無くなっていた。
そして、綺麗だった雪がたくさん踏まれ、泥と混じり、汚くなっている。
「あっ！Aさん！！また折っちゃいました〜！ 」
と寒さで鼻を真っ赤にして泣き叫ぶフィニ。その隣に『またごめんですだよ〜！』と割れたメガネをつけたままのメイリン。
何をどうやったらこんな“地獄絵図”になるのだろうか。
軽い殺意を抑える。
「……ここはセバスチャンさんに任せましょう。彼ならどうにかしてくれるはずです。お2人は……“お客様達”が来たらお迎えできるように玄関ホールで準備をしておいてください。」
『すぐに“バルド”も向かわせますので』と言いかける前に大きな爆発音が聞こえた。
……ダメだ。こんな事で怒ってどうする。
私はファントムハイヴ家のメイド。
メイドたるもの、こんなもので怒ってしまっては…
「バルド！目玉焼きを作るのにどうしてそんな馬鹿でかい兵器を使うの！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
理音(プロフ) - 更新して欲しいです！！待ってます！！ (6月21日 16時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年6月16日 21時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
優 - 面白いです!!続き楽しみにしてます!!頑張ってください！ (2018年4月3日 22時) (レス) id: 1e3d994a6e (このIDを非表示/違反報告)
一姫(プロフ) - 受験、おめでとうございます！ 頑張ってくださいね！ (2018年3月23日 14時) (レス) id: a04d87dde9 (このIDを非表示/違反報告)
佰 - 面白いですね！続きが気になります！これからも更新頑張ってください！ (2018年3月22日 17時) (レス) id: e1e57bb127 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふらすこ | 作成日時：2018年2月5日 14時
