【9】 ページ17
「大丈夫ですか？」
肩をポンッと叩かれ、頭の中で流れていたスクリーンが、消えた。
自分の息が上がり、汗をかいているのがわかる。
頬を伝わる汗をセバスチャンさんは白いきれいなハンカチで拭ってくれた。
「あ……わたし……」
あたりを見渡すと厨房で、周りのバルド、メイリン、フィニは心配そうにこちらを見ていた。
っ……だめだ
私は深呼吸をする。
ゆっくり、ゆっくり。
早くなった心臓の鼓動を落ち着かせるように。
「Aさん、大丈夫ですだすか！？」
「お前今日変だぞ！？」
「ぼ、僕薬持って＿」
「もう大丈夫です。取り乱してすいません。」
そう言って私は立ち上がる。
完全に汗は止まった。
「……そうですか。では、それぞれ持ち場に戻りましょう」
セバスチャンさんに渡されたお盆には小皿に乗ったなにやらサーモンの……サラダ……？
こういう料理は“昔”食べていたが、正直名前なんて覚えていない。
「メイドさん、それもらえるかしら」
「はい」
とても顔が整っている女性にお渡しする。
……この人はたしか有名な歌手だったっけ。
貴族様と言っても全員が貴族様、という訳では無い。
中には政治家や、大きなホールで劇をする有名人。
私の尻を触ったクソゴミ野郎様はたしか有名なお菓子を製造している社長だった気がする。
……坊ちゃんはとても顔が広い。
隅の方に置かれている椅子に坊ちゃんは腰をかけていた。
……たしかこういう場が苦手だと、前に聞いた事がある。
…私も昔こういう場がすごい大嫌いだったのを思い出す。勿論、今もだが。
なんて思っていると頭になにか冷たいのがかかる。
それは頭を伝って頬を流れた。
近くにいたお客様達はこちらに注目する。
『な、なんですのあれ……』『なんと下劣な…』
と、ひそひそと聞こえる。
そして私は気づいた。
私の頭をつたる“水”。
それは紛れもなく“シャンパン”で、それを私にかけたのは
「ムゲット、なにをしているのですか？」
その声は坊ちゃんのものだった。
杖を付き、堂々とした歩き。
「いえ、少し“小汚いネズミ”がいたので綺麗にしようかと」
そう言ったムゲットは私を見て『あ〜、嫌になるわ』と言った。
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理音(プロフ) - 更新して欲しいです！！待ってます！！ (6月21日 16時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年6月16日 21時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
優 - 面白いです!!続き楽しみにしてます!!頑張ってください！ (2018年4月3日 22時) (レス) id: 1e3d994a6e (このIDを非表示/違反報告)
一姫(プロフ) - 受験、おめでとうございます！ 頑張ってくださいね！ (2018年3月23日 14時) (レス) id: a04d87dde9 (このIDを非表示/違反報告)
佰 - 面白いですね！続きが気になります！これからも更新頑張ってください！ (2018年3月22日 17時) (レス) id: e1e57bb127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふらすこ | 作成日時：2018年2月5日 14時
