風を斬る魚 (ページ13)

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妖魔界の妖怪たち（牙side）ページ13

俺は猛烈に怒っている。怒りで、角が伸びそうだ。

封印のチカラが弱くなったから、うちの偵察隊隊長を外に送り込んだというのに、まんまと忍者どもにやられやがって……

怒りで雲外鏡を殺りかけた。

天魔｢まぁまぁ、そうカッカッしない｣

まったく、これだから鬼はとブツブツ言ってる。

カラス天狗の天魔、大将の右腕。あいつ一言余計だからさらにムカつく。

天魔｢怒ってばかりいるのも疲れるよ？ねぇ？お市さん｣

狐の面を着けた、女に話を振る。

お市｢……｣

ったく、こいつも全然喋らねえし、つまんねー！

なんで、こいつをずっと置いとくんだよ！

わかんねえよ！とそばにいた名もなき下っ端を蹴り上げる。

十衛門｢そこまでにして起きなさい｣

ずっと玉座に座って見ていた我らの大将、妖狐。

｢はっ、申し訳ございません。しかし……｣

十衛門｢部下がやられて怒る気持ちも分かるがな｣

天魔｢大将、7色の忍どもはどう致しましょうか｣

お市｢……｣

俺とお市は大将の言葉を待った。

十衛門｢あやつら、世代を変えてまで我らに逆らうとは……面白い。しばらく様子を観よ……天魔、頼みたいことがある。部屋に来なさい｣

天魔｢かしこまりました｣

また、天魔かよ！気持ちが顔に出ていたのか、お市が見つめてくる。

｢見るんじゃねえ！ったく！｣

そそくさと俺は、部屋を出た。