始まりは突然に（黒side） ページ2
今日は久しぶりにメンバー全員に会える日。
シルクの家に向かう前にセカンダリで使うものを買いにお店で、あれこれをかごに入れる。
会計を終えた僕はお店を出た。
早くシルクの家に行こうと考えていると……
ドカァァン！
右側のすぐそばで何かかが爆発したと同時にたくさんの悲鳴が聞こえてきた。
その音に肩を上げた僕は、そーっとそこを振り返る。
見えた景色はガレキの山となり、いつもの場所ではなくなっていた。
その恐ろしさに、思わずしりもちをつく。
？｢いいぞ！泣け！叫べ！それが俺たちのチカラとなる！はっはっはぁ！｣
声がした方に顔を向けると、見たことない角がひとつ生えた生物が楽しそうに笑っている。
？｢さぁ、妖魔界の復活のため、もっと泣いてもらうぞ！｣
妖魔界……そうか、コイツ妖怪か。
初めて見た……妖怪なんてこの世に現れないって思ってた。
闘わなきゃ、でも怖くて足が動かない。どうしよう。
僕のリュックの中では今、常に持ち歩いているモーフィンブレスが警報を鳴らしている。
その音がさらにあせらす。
そうだ！
ポケットからスマホを取り出すと、LINEを急いで開いてシルクに電話する。
この時、関係ないはずのシルクになぜ電話をかけたのか理由は分からない。
シルク『もしもし、どうした？』
｢よ、よ、妖怪が出た！ま、街を破壊してる！た、助けて！｣
僕は助けをお願いした。
電話の向こうから、警報のような音が聞こえたのは気のせいだろうか……
自分が情けなく感じた。修行をしてきた身でありながら、恐怖に勝てず、大切な仲間を巻き込んでしまった……
しばらくして、シルクから返事を返してきた。
シルク『わかった、そっちに向かうから』
｢場所は……｣
シルク『場所、分かるからそこで待ってろ』
｢わかった。ごめん｣
シルク『大丈夫だから、な？』
“うん”と返事をし、通話を切る。
電話するのに必死だった僕は、妖怪に目をつけられているのに気づかなかった。
妖怪｢その警報音、お前、忍者か？｣
バレた……！？今は正体を明かす元気すらでない。
妖怪｢その様子だと、抵抗できなさそうだな！｣
首を掴まれ、中に浮く。
これ、すごいピンチだ。
早く、来て……
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作成日時：2020年4月23日 2時
