Case22 ページ23
『お待たせして、すみませんでした』
「とんでもない!お疲れ様でした」
迎えに来てくれた安室さんの車に乗り込むのも、なんだか慣れてきた頃、
外の気温もやや温かくなってきていた。
『今日は探偵の方のお仕事があったんですか?』
「えぇ、よくわかりましたね」
『クライアントは女性の方…そして、金髪。長髪ですね……しかも、お若い』
「!?」
安室さんは驚いたのち、
目を細め、にこりと笑った。
けど、
(なんか…目が………冷たい…)
いつもと違う笑顔に、少し驚いた。
あの、温和な安室さんからは考えられないほどの冷めた眼差し。
「……さすが、東の高校生探偵工藤新一の助手さんだ」
『……助手?』
「蘭さんから聞きました。
小さい頃からいつも二人一緒。
まるでAさんは、ワトソンのようだって」
『……不可抗力です。あれは新一に頼まれたからやってるだけで………』
「僕のクライアント、ほとんどAさんの言った特徴の通りですよ。
なぜ、わかりました?」
どこか、試すような口振り。
なんだか緊張してしまい、
やや震えそうな声で、理由を話した。
『しゃ、車内にブランド物の香水の香りがしました…。今、女性の間では人気の香水の香りです。そして、車内に落ちてた髪の毛。そこから予想しました』
「へぇ…中々の洞察力です。
ただ、1つだけ間違いがあるとすれば、
クライアントは、もう少し、年輩方です」
にこり、と笑うそれはいつもと同じ笑みで、
緊張がフッ…とほどけた
『……なんか、安室さん怖い』
「え?」
『いや、突然目付きが鋭くなったような気がして…』
「それはすみません!」
時々、
本当に時々、
(彼の顔が、見えなくなる)
まるでそこだけに霧がかかったように、
顔が、わからない。
「着きましたよ」
『はい…いつも、ありがとうございます』
「いいえ」
その顔は、
その笑顔は、
(いや、考えすぎだ)
走り去る、白いRX-7を見つめながら、
どこか、
(彼が、怖い)
と、
唇を噛み締めた。
(人はわからないことに、恐怖を覚える)
昔、優作さんが言っていたことを思い出す。
(まさに、それ、か…)
「"次の仕事が決まったわよ"」
「へぇ……それは?」
「"シェリーを、始末するわよ"」
不安は現実へ。
真実はいつも残酷だ。
――――
映画3回目行って来ました。
エ ロい。
4500人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソーダ愛す - ヤバい、面白すぎる...!個人的におジャ魔女とひょっこりはんがツボでしたww (12月13日 21時) (レス) @page49 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
テトノ - 初めまして、とてもおもしろいです!!!はい、ひょっこりはんの所がとくにおもしろかったです (2022年4月10日 12時) (レス) @page44 id: 766cae026c (このIDを非表示/違反報告)
いつも楽しみに読んでます!更新頑張ってください! - ライ (2018年10月14日 9時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、面白いですヽ(*≧ω≦)ノパルクール出来る女子高生とかカッコいい!安室さん推しな感じも最高です♪ 正にドキドキハラハラな展開も良いです(*´艸`*)ひょっこりはんも笑いました(笑) (2018年6月13日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あおいさん» ありがとうございます!続編の方、読みました。教えていただき、本当にありがとうございました。 (2018年5月13日 8時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2018年4月7日 22時