テ レ パ シ ー 〈 桃 × 緑 〉

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神ちゃんはぎゅーっと目を瞑ってしまった。






“好き”と言いたいのに、目が合わないと伝わらない気がした。







桃｢神ちゃん…｣






このままじゃ一向に埒が明かない。






できるだけそーっと、身長差があるから潰さないように優しく抱きしめた。優しく。






緑｢え…｣







桃｢このまま聞いて｣






桃｢俺神ちゃんのこと好きやねん。ずっと。｣






緑｢…｣






桃｢男同士やけど｣







聞き取りやすいようにはっきりと伝えた。こんなに言葉に神経質になったのは初めてかもしれん。







桃｢付き合って｣






自分でもわかるぐらい声が震えててん。最後の最後まで情けない。






ここでスマートに言えたらどれだけかっこよかったことか。






それなのにこうやって抱きしめたままなのはこの顔を見られたくなかったからなんてわがまますぎるな。






でも神ちゃんが抱きしめられたまま小さく頷いたのがダイレクトに伝わってきてそっちの方がやばい。








桃｢…まじで？｣





緑｢俺でよければ…｣






心の中ではガッツポーズしてたけど、実際には放心状態だった。






必然的に一緒に帰る流れになって、やっぱり会話はなかった。距離も前と同じまま。





一応、着いてきてるか確認するために後ろを振り返ったりする。でもそんなのは付き合う前の関係やん。





立ち止まって何も言わずに手を出した。






神ちゃんは驚いたように目を見開いたあと、その目を細めて笑った。






繋がれた手からは、初夏を思わせる熱がじわぁーっと広がった。






手汗かもしれないけど、それもご愛嬌ってことで。






xxx

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