【実.況.者】お隣さんの通勤事情【蘭.た.ん】 (ページ7)

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おはようございます、お隣さんページ7

_______ 朝、起きると既に10時を過ぎていた。
急いで支度をし、家を出る。

今日は会議があったはずだ。
スマホを取り出して、電車の待機をしながら資料の確認をする。あ、来た。
ドアが開くと同時に、人が雪崩のように入ってくる。

慌てて奥へと進み、席を確保する。……と、隣には見覚えのある顔。何故かは知らないが、少し安心できる。

今日お隣さんが聴いているのは…ゲームのミックスリスト…？

…嬉しいな、ちょっと。私も好きなんだよね、あのゲーム。イヤホンから聞こえるピアノの音。綺麗、だな。
思わず聴き入ってしまう。…そうだ、私も音楽聞くか。とスマホを開いた。

曲は……私が過去にやっていたバンドの曲。一応ボーカルにいた。……なんだか懐かしいな、この曲。確か、解散する前に作った曲だったっけ。

ベースの根暗くんに恋をして…結局フられて…………今考えると青春してるな。ぼーっと思い返す。

そんな淡い思い出に浸っている間に、降りる駅に着いたようだ。
イヤホンを外して、荷物をまとめ、ホームに出る。……そして、目の前に映るのは、"彼"の姿。

少し挨拶しようと躊躇うが、やっぱ変だよなぁとやめておく。

すると、彼がこちらに気づいたようだ。目線が合う。

「あ…おはようございます」

…察してくれたのか。と少し罪悪感が湧いてくる。
割とたどたどしく話しかけてくる彼に、動揺しながらも返事をした。

彼は続けて、「あ、えっと……」と口ごもるが、何かを思い出したかのように話を続けた。

「あっ、降りますか。すみません…なんか。話しかけちゃって」

別にそんな謝る必要もないんだけどな、と思いながらも「大丈夫です。じゃ」と軽く会釈して車両を出たのだが、会社に到着してから少し無愛想だったかなぁ…と後悔した。