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お隣さん、頑張って! ページ15

___さて、どうやって攻める?


まずは接点を作るところから。
仕事帰り、駅構内のコンビニへ寄る。

たまたま…いやストーカーじゃなくて。
スイーツコーナーへ向かうと、新商品のスイーツを物色しているお隣さんがいた。


よし、話しかけるチャンスだ…と思っても、思ったより緊張する。



うわ、あまりにも気まずい。


なんなんだよこの時間。多分お隣さんにも認識されてるし…あー、無理…あまりにも…無理…無理すぎるって…


これほどコミュ症であることを悔いることはこれまでもこれからも無いんじゃないの?ほんとに…

もういいや、とりあえず飲み物だけ買って帰ろう…と飲み物コーナーへと移動する。




…するとそこにはお隣さんの姿。


あれ、これヤバくないか?どうしよう。
逃げようにもなんか足は動かないし…終わった、これ。と脳内で警報が鳴る。

その割に、思考は冷静だった。



「あの。」



声をかけられた。その声の主はもちろんお隣さんだった。うわ、無理です…主に心が…


お隣さんは近づいてくる。俺の心情も知らずに…いや知らないのは当然なんだけど。

今から俺動脈切られるんじゃないの?ってレベルでガチガチに固まってたし、彼女も切りにきてるって。その位俺には怖く写ってる。無理です。

目の前に立つと、彼女は俺の顔を見上げてくる。身長差が少しあるため、自然と見上げる形になっている。

えっ、なにそれ可愛い……と一瞬見惚れるが、そんな場合ではない。



「それ、最後の一つだったんですけど」



と、俺の持っているレッドブルを指差して言う。

「あー、もしかして欲しいですか?譲りますが…」と返すと、口を開き、「いえ、他の店舗で買うので大丈夫です」と言うお隣さん。

えっ、優…と、あまり人の優しさに触れる機会がない俺は涙ぐみそうになる。こんな人久しぶりに見た、と感動すら覚えていた。いや流石にオーバー。



その後すぐ、お隣さんは自分の持っていたかぼちゃプリンを持ってレジへと向かった。

いや、普通にめちゃくちゃ良い人だった…






それから、彼女と話すことは無くなった…

…と思っていたのだが、別にそうではなかったらしい。
というのも、朝の出勤時に挨拶を交わす程度だが。

…だが俺としては、その小さな変化さえも幸せと感じてしまっている。あれ?俺本格的にキモい。
でもやっぱり嬉しいものは嬉しい。今となってはお隣さんに笑顔で接することができている。


やはり、この小さな変化は幸せだった。

お隣さん、頑張った。→←お隣さん、気づいた。



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設定タグ:ジャック・オ・蘭たん , 実況者   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2022年8月3日 22時

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